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ニュースでよく聞く円安って何?株価との関係とは?

ニュースでよく聞く円安って何?株価との関係とは?

ニュースや新聞で毎日報じられている、円安や円高というのは、どういったことなのでしょうか。為替相場と株価との関係についても、みていきましょう。

ニュースや新聞で毎日報じられている、円安や円高というのは、どういったことなのでしょうか。為替相場と株価との関係についても、みていきましょう。

円が安いor高いとは?

通貨は世界共通ではなく、それぞれの国で違う通貨が使われています。日本を基準にすると、日本で使われている通貨である円を他の国で使う場合、その国の通貨に両替する必要が生じます。

両替の際に使うレート、交換比率のことを、為替相場と呼びます。円を交換するので、円相場とも呼ばれます。

ヨーロッパのEU各国で使われているユーロなども大切ですが、現在のところ円相場というと、日本との関係がもっとも強い、アメリカドルとの為替相場を指します。

固定相場って何?

交換比率はいつも同じではなく、毎日変わります。実は大事に世界大戦後の新円の開始から50年ほど前までは、日本円とアメリカドルの交換比率は「1ドル=360円」と決まっていました。これを固定相場制と呼びます。

しかし1971年8月15日に、当時のアメリカ大統領だったニクソンが、経済政策のひとつとして金とドルとの交換を停止するという、ニクソン声明をおこないました。

それまで金はドルのみと交換ができる、金本位制を取っていました。金とドルの交換レートは一定で、アメリカに金を持ち込めばいつでも交換ができるようにすることで、価値が保証されていました。

他の国も、ドルで決済することによって、安定した貿易ができていました。しかし、ベトナム戦争の長期化などによって、アメリカの軍事費が負担となり財政が悪くなったことから、ドルの供給過剰におちいりました。

アメリカが保有していた金がなくなってしまい、交換ができなくなってしまったのです。交換停止は、世界中に大きな衝撃を与え、ドルの価値が保証されなくなりました。このことをニクソンショックと呼びます。

1971年12月には、ドルの為替レートを切り下げる、新しい固定相場制であるスミソニアン体制が採用されました。日本でも1ドル=308円というレートに切り上げされました、

しかし、固定制度は長続きせず、各国は変動相場制を導入することになりました。日本でも1973年2月より協議などを経て、変動為替相場に移行して現在に至っているのです。

変動為替相場とは

変動為替相場について、具体的な例をあげてみましょう。
100円を日本で使えば、今日でも明日でも100円は「100円」の価値のままで、変わることはありません。

しかし100円をアメリカドルに両替しようとすると、今日は100円=1ドルのレートで交換できたとします。日が変わると、レートによっては、100円=90セントになったり、100円=1ドル10セントになることもあります。これが変動相場です。

円安、円高とは?

報道で伝えられる「円安」とは1ドル=100円だったのが110円等、上がったことを指します。ドルに対して円の価値が高くなった状態です。アメリカドルから考えると、ドル高と呼びます。

そして円高とは、その反対で1ドル=90円等と、円の価値が下がることで、アメリカドルから見ると、ドル安になります。

為替相場はどのように決まる?

為替相場はどういった要因が元となって決まるのでしょうか。主な要因についてみていきましょう。

需要と供給

為替相場は、需要と供給の関係で決まります。円を売ってドルを買いたいというニーズが多ければ円安に進みますし、ドルを売って円を買いたいニーズが多ければ円高に進みます。

金利

日本の場合は日本銀行が打ち出す、金融政策による金利水準でも変動します。

日本での金利が他国と比べて高いものであれば、投資家が日本株などを購入することが多くなり、円安傾向になります。また低金利であれば、円安につながります。

貿易

日本から海外への輸出が多くなると、外国と貿易をしている業者は日本の製品を購入するため、外貨を円に交換することが増えて、円高につながります。

輸入が多くなると外貨を売って、円を購入する動きが多くなり円安になる傾向があります。

財政

国の借金が増え、財政が赤字となり悪化に向かうと、投資をする人の動きが鈍くなるため、その国の為替相場は低くなりがちです。

政治

政治の情勢も為替相場に影響します。情勢が不安定の時には価値が下がりますが、安定すると上がることが多いです。また、戦争や内戦が起こると、投資することを控える人が増えます。

戦争に巻き込まれたり、国内で内戦が勃発すれば、その国の経済に大きな影響を与えると懸念され、投資を控える人が増えるためです。

為替相場の決め方

為替相場は単純な需要と供給だけでなく、その国の物価変動をはじめとする経済状況、世界的な経済、政治状況、投資家の動向など、さまざまな要因が絡み合っています。そのため、プロのアナリストであっても、相場の予想は、とてもむずかしいとされています。

円高、円安というのは相対的に決まるもので、具体的にここからが高い、安いという基準レートがあるわけではありません。ニュースなどで報じられる場合は、過去3ヶ月間の平均から判断をしていることが多いようです。

円安による影響とは

為替相場が円安になるというのは、つまり、日本円の価値が下がることになります。外国から見ると、日本の製品が安く入手できます。

日本製品への需要が高くなり、競争力も上がり、輸出をおこなっている企業の利益が増え、業績が上がります。日本の大企業は輸出関連が多いことから企業の業績が上向くと、株価が上がることになります。

円安の状態が続くと、海外からの輸入品やサービスの価格が上昇することになります。

日本は、ガソリンをはじめとするエネルギー資源はほとんど、食料の6割を輸入に頼っています。また原材料や肥料なども、輸入によるものも多いです。

輸入にコストがかかるため、そのため、身近な食料品やガソリン価格などをはじめとして、さまざまな物価の値上げにつながります。

外国から日本へ訪れる人にとっては、円安になって自国の通貨の価値が上がることになります。そのため日本へ訪れ、日本で買い物がお得にできます。

買い物目的で日本を訪れる外国人旅行者によるインバウンド需要が増え、経済の活性化につながります。

円高になるとどうなる?

一方、円高になるとどのような影響があるのでしょうか。円高は、日本の通貨と比べて通貨の価値が安くなります。海外からの製品やサービスを輸入することを主力としている企業の利益につながります。

円高で、企業が製品やサービスを安い価格で輸入することができるので、輸入関連企業の業績がアップすることにつながります。小売価格も安くなり、消費者にとっては、輸入製品が安く購入できる、小売業者の業績アップにもなる、というメリットがあります。

輸入に頼っている資源エネルギーも安くなるので、ガソリンや灯油価格が下がります。資源エネルギーによって供給される電気、ガスの価格も下がることになります。

また日本から海外へ行きやすくなり、海外で買い物が安くできる、というメリットもあります。海外からの旅行者にとっては、日本の買い物がしにくくなります。訪日外国人観光客が減少し、購買力が低くなり日本での消費が少なくなるため、インバウンド事業に影響が出てきます。

円高は輸入製品をはじめとする物価が低くなりますが、輸出企業の業績に響きます。全体的に見ると、景気が減退傾向になります。輸出関連企業の業績がマイナスとなると、株価が下がり、デフレを引き起こすとも言われています。

円安の時にしておきたい投資とは?

円安では、日本円しか持っていない場合と資産価値が減る可能性も出てきます。日本株を保有していても、円安の状態では、資産が目減りすることとなります。調査によると、外国に比べると日本ではほとんどの人が外貨での資産を保有していません。

円安傾向が続くと予想される場合には、預貯金だけでなく、円以外の資産にも投資をする工夫をすることで、リスクを減らすことができます。

円以外の投資として、外貨預金や外国為替証拠金(FX)取引など、通貨に投資する方法があります。外貨預金は、外貨建てで預け入れをおこなうことです。日本円での預金と比べ、金利が高いことが特徴です。

預金した時よりも円高になると、外貨の価値が下がるのでマイナスになります。引き出す時、もしくは満期になった時に預け入れた時よりも円安になっていれば、金利に加えて、差額が利益となります。金利が高い分、そのまま利益になるわけではなく、為替手数料がかかることに注意が必要となります。

外国投資の時の為替ヘッジとは?

外国の株式や債券などに投資する場合には、その国の通貨で取引をすることになります。為替相場の動向が損得に大きな影響を与えます。

この為替による影響は、為替変動リスクと呼ばれます。株式や債権の価格そのものは変わらなくても、円安になると利益となり、円高になると損となります。

そのため、外国の商品に投資をする場合には、為替ヘッジというシステムがあります。為替ヘッジとは、為替先物予約のことで、取引をする際に、将来的に交換をする時の為替比率を、手数料を払って予約することです。

費用を払うことで、円安、円高の影響を抑えることが可能となります。為替ヘッジの費用は、外貨の短期金利と、日本円の短期金利との差の大小によって変わります。円安が続くと予想される場合には、為替ヘッジ無しの方が利益を生みやすくなります。

為替相場のシステムや相場を知っておこう

日本円と外貨との交換レートである為替相場は、変動制のため、さまざまな要因によって、毎日変動しています。為替相場は、景気や経済の動向の指標のひとつともなっています。

円高になることと円安になることは、どちらにもそれぞれメリットもあり、デメリットもあります。どの状態が良いというのは、一概に言えることではありません。

円高、円安の仕組みや特徴、動向をあらかじめ理解しておくと、株価の動向を知ることができます。また、日本だけでなく世界の経済状況を知ることができます。

日本円の預金だけでなく、外貨預金やFX、ファンドに投資をする場合には、アメリカドルが1円動くと、自分が保有している資産がどのように変わるのか、配当や利息はどのように変わるのか知っておくこともとても重要となります。

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