iDeCoは途中でやめることができない?掛け金に困ったときにできること
将来のためにiDeCoを考えている人は多いことでしょう。ただ、昨今の資産運用の流れで「なんとなく」始めてしまう人も多発しています。
「iDeCoは途中でやめることができないよ!」といったことを耳にした人もいるはずです。そこで、今一度iDeCoの強みや注意点についてみていきましょう。
「iDeCoは途中でやめることができないよ!」といったことを耳にした人もいるはずです。そこで、今一度iDeCoの強みや注意点についてみていきましょう。
iDeCoは途中でやめることができない?
なぜ原則として途中解約ができないのか、その理由からiDeCoの強みを考えてみましょう。
原則途中解約はできない
iDeCoの目的としては「老後の蓄え」。収入が年金頼りになる老後の支えになるように、今のうちに積み立てて貯めておきましょうということですね。
いつからお金を引き出せる?
最近、老後には2000万円が必要なんて言われていますよね。年金だけでは満足な生活を送れないのではないか、という不安は付いてまわります。その不安がiDeCoによって緩和されるでしょう。
注意点としては、iDeCoは最低でも10年間の加入期間が必要となることです。ですので、早いうちからiDeCoに加入していれば備えがあって老後の安心につながります。
絶対途中でやめることができないの?
ただし「解約ができるから安心」と考えるのではなく、ここでiDeCoの強みを再考していただきたいと感じます。老後の不安を解消するための制度なので、解約を考えるよりも、継続できる方法を考えた方が将来のためだと言えるでしょう。
iDeCoを途中でやめることができるケース
「条件」とありますので、どうしても途中解約をする場合は、条件に当てはまるのかを確認してから手続きを行いましょう。
加入者が死亡した場合
ただし遺族が受け取る金額は、投資信託などを現金化された上での受け取りになります。死亡後5年以内での手続きが必要となりますのでこの点は注意をしておきましょう。手続きが無い場合は「相続人のいない相続財産」となり、国庫に帰属します。
加入者が所定の障害状態になった場合
けがや病気で初めて治療を受けた日から起算し、1年6カ月を経過した時点で「支給に該当する障害」であることで受け取りが可能となります。また、途中で障害を克服したり、軽くなったとしても、障害給付金の支給は引き続き受けられるので安心です。
脱退一時金を受け取る場合
条件の一部を紹介すると
・国民年金の保険料免除者であること
・障害給付金の受給者ではないこと
・通算拠出期間が1ヵ月以上5年以下であるか、または個人別管理資産が25万円以下であること
などの条件が定められています。
iDeCoの掛け金で困ってしまったら
そこで、掛け金の捻出に困ってしまったら考慮すべきことを3つお伝えします。
減額する
将来の不安を解消するために、初めからギアを入れて大目の金額を設定する人は少なくありませんが、その掛け金で生活に苦難が出るようでは意味がありません。無理のない範囲での金額設定をしましょう。
減額は「加入者掛金額変更届」を提出すれば可能ですが、1年に1度しか変更できませんので注意が必要です。
支払いの停止をする
加入者としての資格は喪失となりますが、受け取る権利が無くなるわけでないので安心してください。一時停止をしている期間は、積み立ててきたお金の運用指示を行う「運用指図者」という立場となります。
要するに、掛け金の支払いは停止し、それまでに積み立ててきたお金の運用のみを継続することとなるのです。
支払い停止で注意すること
まず、運用指図者として手数料が毎月66円必要になり、そして何よりも所得控除が受けられなくなることです。税制の優遇はiDeCoの強みですのでその強みが活かされなくなってしまいます。
また、支払い再開時には再度の加入申し込み手続きが必要となるのも手間に感じることでしょう。手数料だけ毎月かかること、税制メリットがない状態になることを考えると、できれば減額で頑張った方が良いと考えられるでしょう。
iDeCoのメリットって?
積立時、運用時、受取時といったそれぞれ3つのステージで、税制上の優遇措置が設けられています。それぞれを詳しくみていきましょう。
掛け金が全額所得控除
当然ですが、節税額はその人の年収や掛金によって違ってきます。月額の積立金の多少にかかわらず、積立期間中はずっと控除の恩恵を受けられるため大きな節税効果が得られます。
運用益が非課税
ところが、iDeCoを通じて運用をした場合、得られた運用益に対しては税金が一切かかりません。これは大きなメリットですね。
本来であれば税金として差し引かれていたであろう資金を、再び運用することができま。そのため、より有利な運用が可能となるのです。
受け取りの税制優遇
年金として受け取る場合、65歳未満の場合は70万円、65歳以上の場合は120万円の公的年金等控除が所得から差し引かれます。控除を利用できる年金の年間合計額がこれらの金額の範囲内であれば、税金は一切かかりません。
iDeCoの掛け金で困らないために
掛け金で困らないために気を付けるポイントを押さえておきましょう。
少額にする
将来のことを考えて、初めから高めの金額を設定するのではなく、長く続けることのできる金額で設定をしましょう。また、1年に1度は掛け金の変更ができますので、その年の自分の動向を考えるのも大切です。転職の予定があるなら、その年は少し低めに設定をするようにしましょう。
借り入れするのは本末転倒
まず、借り入れすることが癖になりかねないこと、また、自分のお金の流れが把握できていないことが指摘できるためです。掛け金の捻出が難しいなら、自分のお金の流れを把握することから始めましょう。
売れるものがないか探してみる
借りる前に、不要な物を売るという方法を試してみてください。もちろん、副業を始めることも良いでしょう。あなた自身が持っているスキルを売ることも、資産を作る方法になります。借り入れの前にできることは全て検討してみてくださいね。
iDeCoは途中でやめる前に掛け金の見直しをしよう
まずは無理のない掛け金で始めてみることは肝要です。そして自身のお金の流れを把握し、どのように資産を増やしていくのかを検討していきましょう。