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覚えておきたいドルコスト平均法のデメリット! メリットや注意点、活用のコツも解説

覚えておきたいドルコスト平均法のデメリット! メリットや注意点、活用のコツも解説

人生100年時代と言われる現代、年金だけでは生活資金が不足し、自分自身で老後の資金を調達することは必須となっています。銀行の低金利時代はまだ続いていますので、資産運用を効果的に行う方法で資産形成を実現しましょう。 ライフ […]

人生100年時代と言われる現代、年金だけでは生活資金が不足し、自分自身で老後の資金を調達することは必須となっています。銀行の低金利時代はまだ続いていますので、資産運用を効果的に行う方法で資産形成を実現しましょう。

ライフスタイルに合った資産形成には、長期投資、積立投資、分散投資が3原則といわれていますが、その中の積立投資を可能にするのが「ドルコスト平均法」です。これは投資の基本とも呼ばれ、今注目を集めています。

そこで、この記事ではドルコスト平均法のメリット・デメリット、その活用するポイントなどについてわかりやすく解説していきます。

ドルコスト平均法の概要

ドルコスト平均法(dollar cost averaging)とは株式や投資信託など金融商品の投資方法のひとつで定額購入法ともいいます。USドル建てで投資することを意味するものではありません。価格が変動する金融商品を購入する場合、一定期間、一定金額で継続的に投資する方法です。

ドルコスト平均法のデメリット

① 短期的には投資効果を得られない

積立投資は長期運用で利益を出すように設計されています。たとえば、価格が底値であっても一括購入できず、価格が高くても売り払って大きな利益を得ることはできません。価格の変動が大きくても

購入単価は平準化してしまうので、短期間で資産を大きく増やしたい人には向いていません。

自分の投資スタイルや投資ルールを確立させたうえで、ドルコスト平均法での投資を検討してみてください。

② 売るタイミングによっては損失を出すこともある

損失を出す可能性がゼロではなく、元本保証でもないので、元本割れを起こすリスクがあります。長期的に価格の下落が続けば、結果的に損失が出ますが、そのときが耐えられれば利益を得る期待が持てることになります。

③ 短期的には大きなリターンは期待できない

底値のときに大量に購入するなど臨機応変な対応はできません。投資額が少しずつしか増えませんので、緩やかな収益の伸びしか期待できず、収益性は低いといえます。

④ 手数料がかさむことがある

少額ずつ高頻度で買付をすれば、手数料のトータルが割高になる場合があります。コストが高くなれば利益に影響が出るため、少しでも手数料の安い商品を選ぶことが大切です。購入時の手数料は金融機関で異なるので、事前に確認しておくことが重要です。

⑤ 購入の絶好機を逃すことがある

購入額が固定されていることで、底値であっても大量には購入できません。絶好の購入チャンスが到来してもその機会を逃すことは避けたいものです。十分な資金があるにもかかわらず、目標金額に達するまでに相応の時間を要することになります。

ドルコスト平均法の注意点

① 相場の値動きに左右されないこと

短期的な値動きに目を奪われず、機械的な購入を続けることです。目先の利益を追い、すぐに売ってしまうパターンは避けるべきです。長く持ち続けることでメリットを最大限得ることになります。

② 自動積立機能を活用する

金融機関の自動積立サービスを有効活用し、一定額で購入し続けることが重要です。

③ 右肩上がりの商品が向いている

長期間にわたり右肩下がりの商品では購入単価の平準化がうまく機能しません。長期的に価格の下落が続けば購入数量は増えても、結果的には損失が出てしまいます。

④ 投資終了の決断が重要

長期間の投資であってもいつかは終了し、利益を確定する必要があります。あらかじめ年数を決めておく、資産形成の目標額を達成したらやめるなどの自分なりのルールづくりが大切です。

⑤ 一括投資のほうが有利な場合もある

価格が上がっても徐々に下落するようなケースの場合、投資の開始時点より価格が高くなったとしてもそれ以上に平均購入単価が高くなると、元本割れを起こす可能性があります。

ドルコスト平均法のメリット

① 定額・定期購入なので手間がかからない

購入額が固定されるため、値動きをチェックして悩む必要がありません。基準価額が高いときは購入数量が少なく、基準価額が低いときには購入数量が多くなることが自動的に行われます。

② リスクを分散しながら運用できる

購入時期を分散することで価格変動リスクを軽減させる効果があります。投資のタイミングを分散できるので、時間分散が可能となります。そのことが長期的に見れば、購入単価の平準化に貢献することになります。

③ 購入単価を平準化できる

定期的に定額で購入すると、一括購入より平均単価が下がる場合があります。定額購入は価格の平準化を実現し、平均単価も下げる効果があります。

④ 日々の価格変動を気にする必要はない

毎月一定数量を購入するので、投資のタイミングを悩む必要がなく、機械的に投資を継続できます。多忙で時間がとれない人、専門的スキルのない初心者に向いている投資方法です。

⑤ 少額から始められる

ネット系金融機関では積立投資は100円から始められるところがあります。初期投資が少なくてもスタートできることは、自己資金のない人でも始めやすいといえます。

⑥ 長期投資と相性がいい

値動きの上下に左右されることなく定額で購入するので、安定的な運用を可能にします。長期間購入を重ねて効果を発揮するので、長期投資との相性が非常にいい投資方法です。

ドルコスト平均法のシミュレーション

では、具体例で検討してみましょう。

前提条件として、リンゴを毎月10個買う場合、毎月1,000円買う場合です。

1月:毎月10個買う場合 100円✖10個=1,000円 毎月1,000円買う場合 1,000円÷100円=10個

2月:毎月10個買う場合 150円✖10個=1,500円 毎月1,000円買う場合 1,000円÷150円=6個

3月:毎月10個買う場合 50円✖10個=500円 毎月1,000円買う場合 1,000円÷50円=20個

3か月の合計:毎月10個買う場合 リンゴは30個 合計金額は3,000円⇒リンゴ単価3,000円÷30個=100円 毎月1,000円買う場合 リンゴは36個 合計金額は3,000円⇒リンゴ単価3,000円÷36個=83円

この結果、毎月1,000円買う(ドルコスト平均法)ほうが、リンゴの単価が安く抑えられていることがわかります。購入単価の平準化を実現しているのです。

ドルコスト平均法で成功する方法

投資をする以上、100%の確率で利益を得られることはありませんが、それでも長期、積立、分散投資はその実現の可能性を高めてくれます。では、ドルコスト平均法を利用して成功するためにはどうしたらいいのでしょうか。

ドルコスト平均法を活用するポイント

① 長期的に成長が見込まれる企業に投資する

右肩上がり、つまり長期的に成長が見込まれる企業や資産をうまく選んで投資することが大切です。短期的には相場が下落するのはやむを得ませんが、下落後ある程度まで回復してくれないと利益確保が難しくなります。このような成長が見込めない場合は、ドルコスト平均法を利用した投資をすべきではありません。

② 長期的な投資を実践する

長期投資で安定的な運用を行い、利益を確保する必要があります。短期間では平均購入単価が安定せず、売却した際に損失を出す可能性があります。ドルコスト平均法の効果を得るためには最低でも10年、できれば20年以上の長期投資を前提とする必要があります。

③ 定期的に運用状況をチェックする

複数の商品で同時にドルコスト平均法を利用する場合は、それぞれの運用状況のバランスをとることが重要です。値動きの状況を把握し、売買を行うチャンスを逃さないように見直しをする必要があります。定期的なチェックが欠かせない理由です。

ドルコスト平均法を選択しないほうがいいケース

それではドルコスト平均法ではなく、他の投資方法のほうが有利になる場合について考えてみます。

① 価格が上昇し続けた場合

ドルコスト平均法は値動きの上昇・下落を繰り返している相場で、平均購入単価を下げる方法のため、上昇し続けるとその効果を発揮することができません。価格が上昇し続ける場合には、まとまった金額を投資して価格のピーク時に売った方が有利になります。

② 急激に価格が下落した場合

資産価値が急激に下がるため、ドルコスト平均法のメリットが活かせなくなります。下落傾向が続く場合は、ある時点で損失を覚悟のうえ、売却することを検討すべきです。

ドルコスト平均法におすすめの商品

最後に、ドルコスト平均法を利用した投資をする場合のおすすめの主な金融商品を紹介します。

① 積立投資信託

投資の基本である積立投資の代表的商品です。投資信託はテーマごとに金融商品をパッケージして販売するもので、銘柄の選択などは運用のプロが行い、投資家の負担は少なくなっています。少額から始められ、値動きも証券会社のホームページで確認できます。

なお、メリットの大きい投資信託の代表的商品である「つみたてNISA」も検討してみてください。

② iDeCo(個人型確定拠出年金)

公的年金だけでは生活資金などが不足する場合に、老後の資産形成をしたい人向けの商品です。国が定めた投資信託から自分で選んで長期の積立投資をすることができます。

最大のメリットは3つの優遇税制です。掛金は全額所得控除、運用益は非課税、将来の受取金も控除対象、とコスト軽減に大きく貢献する商品です。ただし、60歳以降でないと受け取れない点に注意が必要です。

③ 変額保険(有期型)

被保険者が死亡した場合や高度の傷害を負った場合に保障を受けられる保険商品です。保険料の一部を保険会社が運用し、死亡保険金や満期返戻金の額が運用実績に応じて変動する保険です。契約者は毎月定額の保険料を支払い、保険会社の運用した成果が保険金に反映されるので、ドルコスト平均法のメリットを受けることができます。

長期、積立、分散投資を十分活用し、ドルコスト平均法で効果的な資産形成を目指そう

ドルコスト平均法は金融商品を定期、定額で購入するので、手間なくリスク分散の効果を得ながら資産運用をすることができます。長期的に資産形成を目指す人には最適の投資方法です。投資は長期、積立、分散が基本です。これらをうまく活用することで、損失のリスクを回避する可能性が高まります。

投資の必要性は感じているものの、仕事や家事などの時間的制約でなかなか取り組めない人にとっては、手間がかからないということは重要なポイントになります。ドルコスト平均法は手間がなく、長期的に運用できる投資方法ですから、時間のない投資家にとっては効果的で、最もふさわしい投資方法のひとつといえるでしょう。

この記事を参考にしていただき、ドルコスト平均法でリスクを分散させながら長期的な資産形成をし、将来の豊かで充実した生活を手に入れましょう。

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