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円安は投資信託に影響がある?適切な対策方法とは

円安は投資信託に影響がある?適切な対策方法とは

ここ数か月で、世界的に利上げが進んでいる中にあっても、日本では引き続き金融緩和が行われることなどから、急激に円安が進んでいます。円安になると、投資信託にはどういった影響が及ぶのでしょうか。

ここ数か月で、世界的に利上げが進んでいる中にあっても、日本では引き続き金融緩和が行われることなどから、急激に円安が進んでいます。円安になると、投資信託にはどういった影響が及ぶのでしょうか。

円安になった原因とは?

2022年になって半年で大きく円安となり、約24年振りとも言われる水準になってきています。まずは、円安になった原因について見ていきましょう。

アメリカの金利値上げ

アメリカは、2020年初頭から始まったコロナショックによって経済支援として、金融緩和を行い、ゼロ金利を実施しました。このことにより、アメリカの経済は持ち直しましたが消費者物価指数が大幅に上昇しました。物価が上がる、つまりインフレの状態となったのです。

物価の上昇を抑えるために、金利を上げることで経済を引き締めるという政策を打ち出しました。2022年6月には、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が、27年ぶりの大きな利上げを実施しました。今後もさらなる利上げが必要ではないかと予測されています。

一方で日本は、長年続けてきた金融緩和政策をさらに継続するという姿勢を発表しました。政策金利マイナス0.10%という、超低金利がさらに続くことになります。

アメリカと日本の金利差が大きいと、日本円よりも利率が良いアメリカドルへ投資する人が増えます。ドルへのニーズが高くなったことで、円安が加速していったと考えられています。

貿易赤字の拡大

現在、日本では輸入よりも輸出する金額が多い、貿易赤字と呼ばれる状態になっており、さらに拡大しています。原油価格など、さまざまな製品の価格が上がっていることが原因とされています。

エネルギー資源はほとんどが輸入に頼っている他、食品や半導体、電子製品といったかつては日本が輸出していた製品も、現在は輸入しています。輸入する品物やサービスは、ドルによって支払われることが多いため、ドルを買うことになり、ドル高となっているのです。

円安の影響とは?

円安が進むと、私たちの生活にも影響が出てきます。もっとも大きな影響は、身近なものの値上がりです。日本は食品だけでなく、原材料は輸入していることが多いです。円安になることで、輸入した製品自体の価格だけでなく、輸入にかかる輸送量などのコストが上昇し、小売価格が値上げされることになってしまいます。

一見すると、日本で作られている食品や食材であっても、生育のために必要な肥料や資材などは輸入されています。また食品を加工、輸送のために必要なコストもかかります。

少し前までは、円安になると海外に輸出をメインで行っている企業は、外国で日本の製品を安く売ることができるため、競争に強く業績が上がる、と言われてきました。しかし、近年は、海外に拠点を置いて製造をしている企業も多くなってきていますので、一概に製造業だから有利とは言えなくなっています。

コロナ禍による長年の規制が解除された海外旅行などにおいても、円安は大きな影響があります。旅行へ行ったら、その国の通貨に両替をしますが、円安の場合は同じ金額の日本円でも、受け取れる海外の通貨は少なくなります。買い物をしたくても、値段がどこも高くて以前と比べて思ったよりは買えない、という事態になります。

反対に、円安になると外国の人にとっては、より多くの日本円を得ることができます。日本を訪れる外国人観光客の受け入れが再開されたこともあり、
日本を訪れる外国人旅行者が今後増えることで、観光客による買い物などのインバウンド需要が再び見込めるのでは、と期待している観光地もあります。また、円が安いことで、日本の企業などに投資をする投資家も多いのでは、とも言われています。

円安による資産の目減りを防ぐ対策方法とは?

円安が進み、物価の上昇すると、資産が目減りしていってしまいます。資産が現金だけという場合は銀行に預金しても、金利がゼロですので、ほとんど利息が付かないままです。しかしさまざまな物価が値上がりしていくと、お金の価値は目減りしてしまうことになります。

大切な資産を守っていくには、どのような対策が必要なのでしょうか。それぞれの方法について見ていきましょう。

資産を分散させる

投資におけるさまざまなリスクへの対策方法として知られているのが、分散投資をすることです。同じ投資商品、同じ銘柄のみに投資をすることは、トラブルが起こったときに資産を失ってしまう、マイナスになってしまうリスクがあります。

資産を分散させて投資をすることで、もし投資先の銘柄のトラブルがあり、大きく値を下げてしまうことがあっても、資産を分けておくことで被害を抑えることができます。分散投資は、多くの投資家が取り入れている手法です。

分散投資にもいくつかの分散方法があります。まず株式などは、いくつかの銘柄を組み合わせて購入する方法があります。銘柄も業種を分けたり、エリア、国といった地域を分けることでも分散ができます。また値下がりしている時には多く購入し、値上がりしている時には少額購入するといった、購入のタイミングをずらす時間分散という方法もあります。

複数の金融商品を組み合わせて購入する分散投資の方法もあります。金融商品によって、値動きは異なります。たとえば株式と債券は、逆の値動きをすると言われています。値動きが異なる商品を分散して保有することで、暴落などのリスクを抑えることができるのです。

現物投資を取り入れる

資産が目減りするインフレ時には、現物への投資が有利だと言われています。円が安くなっても、「物」自体の価値は下がりにくいと考えられているためです。インフレに強いと言われている現物投資は、不動産や金などが挙げられます。

不動産投資とは?

不動産は、人が暮らしていく上で絶対に欠かせないものです。そのため現金、株式といった金融資産と比べると資産価値が減りにくく、安定していることがことが大きな強みです。不動産投資では家賃収入を得ることもできます。

物価の上昇によって不動産の価値が上がります。そして、家賃も上がる傾向にあることから、収入もその分増える見込みがあります。ただ、不動産投資をする上においては、空き室リスクや滞納リスクなども考えられ、必ずしも予定通りの安定した収益を得られるわけではありません。また、不動産の条件によっては、どの物件も必ず値上がりするとは限りません。

REITとは?

不動産投資はマンションやビルなどの物件が対象となります。大きな金額を扱います。気軽に購入ができる商品とは言いづらいです。また、金融商品と比較をすると、お金が必要となることがあっても、急には現金化しにくいというデメリットもあります。

実際に不動産を所有するのではなく、不動産を証券化した金融商品を購入する、REIT(不動産投資信託)と呼ばれる商品を購入する方法もあります。REITとは、市場を通じて投資家から資金を集めて、投資用不動産を購入し運用をしていきます。運用することで得られた利益を投資家に還元します。

REITは数万円から購入することが可能です。実際に保有するわけではないので、空き室リスクなども考慮する必要もありません。実際の不動産を購入するよりも、手軽に行うことができるのがメリットです。

金投資とは?

現物投資の代表的な商品のひとつが金です。時代や情勢、経済がどれだけ変わっても、また世界のどこでも、金の価値は変わることはないことから、もっとも安定した資産とも考えられています。

インフレになると通貨の信用が薄れるため、金相場は値上がり傾向にあります。実際、大きな紛争や金融危機などが起こった時には上がっています。リーマンショックが起こった際や、2020年のコロナショックにおいても、金相場が急激に上昇して、過去最高を記録しています。

金に投資するには、実際に金(インゴット)そのものを購入する方法もありますが、保管場所をどうするかといった問題や、盗難、紛失のリスクがあります。金の投資には現物ではなく、金ETFや純金積立で投資する方法もあります。

純金積立とは?

毎月一定の金額を積み立てていく方法です。毎月数千円という少額から始めることも可能です。金そのものは、販売会社が持っていて、一定の金額が積み立てられると現物に交換することもできます。インフレに非常に強い方法ですが、利回りはそれほど高くありません。また手数料の他、保管料や現物の引出手数料といった手数料もかかるのが注意点です。

金ETFとは?

金ETFは、有価証券と同じく、市場を通じて証券を売買する方法で、金の投資信託です。株式と同じように市場を通じてリアルタイムの売買が可能です。少額から始められ、現物投資と同じ効果があると考えられています。

証券会社によっては、アメリカの金ETFをドルで購入するという投資も可能です。また、一定の条件のもと、ETFから現物に交換するサービスを行っている投資信託もあります。

株式投資

株式も、インフレに強い資産だと言われています。物価が上がることによって、利益が得られやすく、株価も上がると考えられているのです。

モノの値段が上がるインフレのほうが利益は大きくなりやすく、利益が大きくなれば株価も上がりやすいためです。

短期的にすぐ上昇するわけではなく、一時的に株価が下がることもありますが、長期的に考えると、株式はインフレに強いと考えられています。

投資信託とは?

分散投資のためには、いろいろな銘柄の研究を行ったり、投資のタイミングを見極めることがとても大切ですが、投資の初心者や、時間がない人にとっては困難なこともあります。

投資信託は、投資のプロであるファンドマネージャーが、さまざまな金融商品や銘柄に投資をして運用をしていますので、さまざまな銘柄に効率よく投資でき、分散投資が可能になります。

円安の影響を受けない対策方法をしっかり取ろう

円安が進んだことで、さまざまな物が値上がりしています。自分の大切な資産を守るために、インフレに強いと呼ばれる投資を検討するなど対策を行いましょう。分散投資をすることを意識して、現物の投資、投資信託などにも目を向けてみましょう。

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