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ヘッジファンドへの投資方法や投資する際の注意点などをくわしく解説!

ヘッジファンドへの投資方法や投資する際の注意点などをくわしく解説!

ヘッジファンドとは、専門家に多様な投資手法により運用を任せることができる金融商品です。ヘッジは「避ける」という意味で、資産損失のリスクを避けつつ、10%を超える高いリターンが期待できるものです。あらゆる投資手法を駆使して、どんな市場環境であっても利益を出すことを目的とした絶対収益追求型のファンドです。

ヘッジファンドとは、専門家に多様な投資手法により運用を任せることができる金融商品です。ヘッジは「避ける」という意味で、資産損失のリスクを避けつつ、10%を超える高いリターンが期待できるものです。あらゆる投資手法を駆使して、どんな市場環境であっても利益を出すことを目的とした絶対収益追求型のファンドです。

投資資金に余裕のある富裕層や機関投資家を対象とした私募型のファンドで、最低投資金額はおおむね1,000万円程度ですが、最近では100万円程度から投資できる個人投資家向けのヘッジファンドも誕生しました。

まだ日本では認知度の低いヘッジファンドですが、高いリターンが期待できる魅力的なファンドですので、この記事を参考にしてヘッジファンドの基本的な事項を理解してもらえば幸いです。

代表的なヘッジファンドの投資方法(戦略)

ヘッジファンドはどんな局面でも利益を追求する金融商品ですが、利益を生み出す戦略は異なります。自分が行いたい運用の形をとっているヘッジファンドを選ぶことが大切です。

運用の判断はヘッジファンド・マネージャーの経験、分析力などのほか過去の統計やデータから得られた情報を根拠に行います。

株式ロング・ショート戦略

ヘッジファンドの原型ともいえる手法です。ヘッジファンドの半分程度を占める中心的戦略です。株式市場に焦点を当てた戦略で、株式のロング(買い)とショート(売り)を組み合わせて収益の獲得を狙います。相対的に値上がりが期待できる個別株式銘柄群のロング(買い)と相対的に値下がりが期待できるショート(売り)のリターンの差を収益として狙います。

市場が上昇局面でロング側のプラスがショート側のマイナスより大きく、市場下落局面ではショート側のプラスがロング側のマイナスより大きくなることを目指します。市場が上下する局面であっても双方でカバーできるため、大きな損失が出る可能性が低くなっています。

マルチ・ストラテジー戦略

複数のヘッジファンド戦略をひとつのファンドのもとで組み合わせたもので、規模の大きいヘッジファンドが採用することが多くなっています。異なる戦略の運用を専門とするマネージャーがチームを組み、同じファンドの中で運用・リスク管理体制を共有します。

複数の戦略に投資を行うことから、分散によるリスク軽減を図りつつ、局面に応じて戦略配分を迅速かつ効率的に変更することが可能です。リスクが低いという観点からも機関投資家が出資するケースが多くなっています。

イベント・ドリブン戦略

企業の連結、買収、資本再編など会社再編に関連するイベントに焦点を当て、割安・割高になった銘柄を発掘し投資する戦略のことです。企業の本質的価値と関係なく、株価が上下する場合に関連して収益をあげる手法です。企業の合併、買収の成立・不成立や買収価格の変化を予想して、対象株式の売買を行います。

イベント・ドリブンには「物言う株主」と呼ばれるアクティビスト戦略が含まれます。アクティビストファンドは特定の企業の大株主になり、企業に提言を行って企業価値の向上によるキャピタルゲインの獲得を目指すファンドのことです。

マネージドフューチャーズ戦略

アメリカでは株式ロング・ショート戦略と並んで長い実績のある手法です。投資対象が流動性の極めて高い上場先物に限定されています。株式、債券、為替といった金融先物、金、原油、小麦などの商品先物の先物市場を投資対象とし、売りと買いの両方のポジションを利用します。動きにトレンドが出たものに追随していく手法ですから、トレンドフォローともいわれます。

投資対象は先物であるため、透明性が高い点、流動性の低い点がメリットとなり、歴史的にも高いリターン率が実証されています。良質なシステムが不可欠で、コンピューターによって合理的な高速売買が行われます。

アービトラージ戦略

アービトラージとは裁定取引のことです。代表的な戦略が債券・金利アービトラージです。同一の商品、証券などが複数の市場で取引されているとき、安い市場で商品を買い、高い市場で売り、その価格差から利益を得ます。マネージャーが本来の価格から離れている債券を探し、割高なものをショート(売り)、割安なもののロング(買い)を行います。

理論価格と離れた価格のわずかな歪みについてレバレッジを使って同時に売買することによりリターンを追求します。債券の価値判断は投資家には難しいことも多く、ヘッジファンド・マネージャーが高いスキルでこれを行います。

ヘッジファンドへ投資する際の注意点

ヘッジファンドの実力を適切に判断し、選別することは容易ではありません。ヘッジファンド専門の分析をするコンサルタント、プライベートバンクのアドバイスを参考にしてください。複数のヘッジファンドに投資を行い、マネージャーや運用方法を分散する方法は、リスクが分散されるためリターンが安定しています。

日本のヘッジファンドは歴史が浅く、実績の少ないファンドが多いため、戦略の多様化が進んでいません。アメリカを中心とした海外ヘッジファンドへの投資がメインとなるでしょう。

運用コスト

ヘッジファンドの運用報酬はベンチマークを上回ることを目標とした投資信託と比較して高い傾向にあります。固定報酬2%、成功報酬料20%というのが一般的です。リスクとリターンのバランスの取れた報酬料を設定したファンドを選ぶことが重要です。

なお、最近では固定報酬料、成功報酬料ともに低下傾向にあるといわれています。

運用目標

どれほどファンドマネージャーの能力が高くても、ハイレベルな投資手法を持っていても、投資家の運用目標に即した運用が必要となってきます。投資家の満足度を満たすものでなくてはなりません。

たとえば、資金に余裕があり、大きなリターンを期待する投資家にはリスクを恐れず、積極的な投資手法が望まれます。投資家が望んでいる最終目標に近づくために、最適なヘッジファンドを選ぶ必要があります。

投資タイミング

ヘッジファンドへの投資を始めるタイミングも重要なポイントです。株式市場が右肩上がりで好調なときは、ヘッジファンドへの投資を重要視しない投資が多くなっています。株式市場の調整が起こり、価格変動が激しくなるような局面では、ヘッジファンドの存在意義が大きくなります。

世界的な低金利が続き、株価もグローバルに高い水準にあります。コロナ禍を経て世界的に経済の正常化がテーマとなっています。金融緩和政策の転換期を迎え、金利が上昇し、株式市場は価格の変動が激しくなる可能性があります。

株式市場や債券市場に影響されないヘッジファンドを選択し、投資を展開すれば、リスクを軽減し大きなリターンを期待することができます。

Financial Analysts and Day Traders Working on a Computers with Multi-Monitor Workstations with Real-Time Stocks, Commodities and Exchange Market Charts. Team of Brokers at Work in Agency.

ヘッジファンドの購入方法

ヘッジファンドを購入するパターンとして、国内の金融機関経由(証券会社・銀行など)とファンドへの直接購入があります。

アメリカではヘッジファンドの法人格はLLC(Limited Liability Company、合同会社)が主流です。投資家はLLCの有限責任社員(株主)となり、管理や投資戦略に関する義務はなく、投資分の有限責任を負います。

国内の証券会社で購入

国内の証券会社や銀行で購入できるヘッジファンドは次のとおりです。
「輸入ヘッジファンド」:海外の著名ヘッジファンドを日本の投資信託形式に組み合わせたもの。
「ヘッジファンド型投資信託」:日本の運用業者がいくつかのヘッジファンドをパッケージにしたもの。

金融機関が投資対象となる企業・投資先の価値やリスクなどを調査しているので、詐欺などの最低限の問題はクリアしています。最低投資金額が低く、誰でも買いやすいが、海外ヘッジファンドが日本の証券会社に卸すことを控えているため、魅力的な商品が少なくなっています。本当に優良なヘッジファンドを日本の金融機関で販売するケースはあまりないのが現状です。

日本の金融機関経由で販売する理由を納得できるかどうかがポイントになります。富裕層は個人の資金でも資産管理会社で購入するケースが大半です。

外資系証券会社の日本支店で購入

外資系証券会社の日本支店(プライベートバンク)で株式や債券などに加えて、ヘッジファンドを購入することが可能です。ただし、最低投資単価が2億円以上とハードルが高くなっています。グローバル感を求めていますが、金融庁管轄である以上、取扱商品に変わりはありません。

富裕層専用の金融機関となっており、ヘッジファンドのみならず他の商品の運用方法などについて、最適なものを提案するという点ではメリットになります。

海外ヘッジファンドを直接購入

中立的な専門家である投資助言会社などのサポートを得て、海外のヘッジファンドに直接投資を行う方法です。最低投資単価は1,000万円程度とハードルは低くなっています。取引の中間に介在する運用会社、証券会社を中抜きにするため、コストカットができ、投資家には魅力的な投資方法です。

パフォーマンスの良いファンドへの投資は資金力のある投資家、または強い人脈を持つ人でないと難しいというのが現状です。

ヘッジファンドの特徴や仕組みをよく理解し、自分に適した魅力的な投資先を選択しよう

ヘッジファンドは多額の投資資金が必要で、庶民にはややハードルが高いのですが、高いリターンが期待できる優秀な金融商品です。豊富な資金を有する機関投資家にとっては、有効な投資先のひとつとなっていますが、個人富裕層にはまだ浸透しているとはいえません。ヘッジファンド=高リスクというイメージが払拭されないということがその原因のひとつでしょう。

ですが、ポピュラーな投資方法として認知されていないこの時点で、ヘッジファンドへの投資に取り組んでみるのは、開拓者としての大きな魅力があります。株高、低金利の時代が終わりを告げ、この先到来する可能性がある世界的な金利上昇や株価の調整への対策として、ヘッジファンドは有効な投資方法となるのではないでしょうか。

ヘッジファンドのメリット・デメリットを十分に理解し、自分自身にとって最適の投資方法を選ぶことができれば、個人富裕層にとってさらに魅力的な投資先となることでしょう。

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