不動産投資を始めるか検討している方は、運転資金と呼ばれる存在をご存じですか?この運転資金が不動産投資を成功させる鍵になっています。これがしっかり確保できるかによって結果が左右されることになるため、初めて不動産投資を行う人はとくにしっておきたい知識です。

この記事では不動産投資で重要な運転資金の詳しい内容や、ポイント、運転資金を借りやすくするための方法について解説を行っていきます。運転資金が用意できないと悩んでいる方にも役立つ内容となっていますので必見です。

不動産投資で重要なのは運転資金?

不動産投資を行うときに注目されるのは物件を購入するためのお金ですが、不動産投資をする場合は運転資金にも注目してみましょう。運転資金は毎月必要になる経費で、この費用を考えていないと上手く運営が出来なくなってしまうだけではなく、資金不足に陥ってしまう可能性もあります。分かりやすくお話しますので、経営についてわからない人でも理解しやすくなっています。

不動産投資の運転資金は何に使う?

不動産投資での運転資金とは、その物件で定期的にかかる費用のことです。従業員の給料や、社会保険料、宣伝をするための宣伝費、外部に依頼している外注費などもこの資金に含まれます。

何か仕入れをして販売している場合は仕入れ費用も該当します。水道光熱費もこの費用に含まれ、このように毎月必要になってくる費用が運転資金です。ただし、毎月ではなく一時的に必要な費用については含まれないので注意してください。

運転資金をきちんと把握すると毎月必要な金額がわかりやすくなり、資金不足になりにくいため不動産投資を行う場合はこの運転資金も頭に入れておく必要があります。物件購入費プラス数カ月分の運転資金を確保することが理想です。

運転資金の目安とは?

不動産投資を始める時に気になることは運転資金の目安ではないでしょうか。経営が始まってしまえば毎月必要な費用がだいたい分かりますが、実際行ってみないとイメージがしにくいです。

マンション経営の場合は共用部分の電気代が1万円程度、火災保険や地震保険は加入内容によって違いますが5～10万円、宣伝費や人件費、管理費などをまとめて家賃収入の5%程度を目安にしましょう。これらが運転資金の目安になります。

飲食店業などに使用している不動産の場合は比較的短期間で収入を得ることができますが、マンションやアパートの場合はすぐに収入を得ることが難しいので数ヶ月の運転資金を確保しなければいけません。これは入居してすぐに家賃を支払うのでははなく、翌月または翌々月に支払いが始まるためです。

運転資金の注意点

不動産投資を行うときは事前にいろいろ調べると思いますが、その中で運転資金は不要というフレーズを見たことがあるかもしれません。実際に金融機関などは運転資金が不要と認識している所もあり、不動産投資の相談へ行くと運転資金の話をされないことがほとんどです。

製造業のように何かを仕入れて物を作る工程がない不動産関係は、電話代など少量の費用しか必要ないと思われているためです。しかし、不動産投資であっても建物の税金を納めなくてはいけないですし、維持していくための費用は必要です。運転資金いらずですぐに利益が得られると思い込むことは止め、しっかりした運転資金のプランを立てるようにしましょう。

不動産投資で運転資金は借りられる?

不動産投資でポイントになるひとつが運転資金の確保です。自分の資産で確保できる人は問題ありませんが、借りることでスムーズな運用を目指す方の場合は借り入れを行えるかがとても重要です。

残念ながら運転資金はカードローンのように誰でも借りられるわけではありません。そこで借り入れを行えた人がどんな人で、どの点を金融期間は注目しているのかについてお話します。このポイントを知っているだけでも借り入れの話が進めやすくなります。

不動産投資は金融機関によって考え方が違う!?

不動産投資の運転資金を借りたい場合はまず、金融機関ごとの考え方を調べておきましょう。金融機関はいろいろな会社があり、それぞれの会社によって融資の考え方が違います。住宅ローンのように生活する上で必要なものはどの会社でも借り入れが行えます。しかし、不動産投資は生活する上で必ずなくてはならないものではないため、資産に余裕のある方のみ行うべきだという考え方を持っているのです。

大手の都市銀行などはこのような考え方をしていることが多く、不動産投資のサポートに力を入れているところや、資産や借入額に合わせて金融機関を選んでみましょう。

運転資金の借り入れをしやすい人とは?

不動産投資の運転資金を借り入れる場合、金融機関から必ず審査を受けます。貸してほしいとアクションを起こすだけではお金を借りることができません。金融機関によってどんな人物なのか、返済するだけの能力があるのかなどの審査を受けなければいけません。

審査内容は会社によって違いますが、基本的な部分は借り入れを行う人の所得について審査が行われます。どの会社に勤務しているのか、職業は何かなど収入に関わる部分を見られると思ってください。上場企業や、公務員など収入が安定しているイメージのところへ勤務している人は融資が受けやすくなっています。

職業では医師や弁護士、税理士といった収入が高い職種になっています。自営業や投資家などは安定した収入が今後も続くかわからない点からかなり厳しい審査を受けることが予想されるでしょう。

会社員の場合は勤続年数についてもチェックを受けます。短期間で転職をする人が増えているため、その会社に長く勤務していることで安定した収入を得ている証明になることから、勤続3年以上が目安です。これより長い場合は審査でいい評価を得やすく、短い場合は厳しい結果になりやすいでしょう。

不動産投資のコレに注目!運転資金の借り入れはこれで決まる

不動産投資で運転資金を借りるための審査では、投資をする物件の価値も大切です。多くの人は不動産投資に必ず成功する見込みがあるかどうかで決まると思っている方がいますが、金融機関ではその結果に対して必ず成功を求めているわけではありません。もちろん投資が成功するようアドバイスや、何らかのお手伝いをすることで成功を願ってはくれていますが、支援をするかどうかは別問題です。

きちんと計画通りに返済することが理想ですが、先のことは誰にもわかりません。そこで借り入れをするときには投資をする物件の価値を考えます。借り入れ額に対して同じ価値のある物件には審査が通りやすいでしょう。

万が一返済ができなくなったときはその物件を担保とすることで返済に当てることができるからです。物件に価値がない場合は持っている資産を担保に入れることで審査が通りやすくなります。

運転資金のローン種類と借りやすくなる仕組みとは?

不動産投資でポイントになる運転資金を借り入れしたいと考えている方のために、ここではさらに詳しく解説したいと思います。ローンの種類や、融資を受けにくいとされている運転資金をいかにして借り入れるかの方法についてお話します。なかなか融資が受けられない場合や、借り入れをして不動産投資を行うか迷っている方は読んでおくと参考になるでしょう。

フルローンとオーバーローンの違い

運転資金だけに限らず、不動産投資で融資を受ける場合は二つのタイプがあります。まずフルローンは物件の値段を全て借りることです。一般的に物件を購入するときは一割程度の頭金を支払い契約しますが、頭金がなくても全額借り入れをすることで契約できることもあります。ただし、フルローンにすると毎月の返済額が当然多くなってしまうことから、ギリギリの収支シュミレーションをしている方や、初めて不動産投資を行う人は融資を断られる場合が多くなっています。

オーバーローンは物件の値段プラス運転資金やそれ以外の必要経費も借りることをいいます。メリットとしては全く資金がなくても不動産投資を行えるため、始めたいタイミングですぐに行うことができます。しかし現実的にはオーバーローンでの融資は受けにくく、よほど物件に価値がないと審査が通らないことがほとんどです。

オーバーローンで注意しなければいけないことは、不動産物件を紹介した仲買業者が金融機関から審査を通してくれることです。これは今後の経営に関係なく売ってしまえば終わりと考えているため、無理に融資を契約させ投資者にハイリスクを負わせているパターンのため注意しましょう。

運転資金?設備資金?借り入れしやすいのは?

不動産投資で融資を受けることが難しい運転資金ですが、簡単に融資を受けられる方法もあります。それは設備資金として融資を受ける方法です。不動産物件の中で修理が必要な備品や購入したい備品がある場合は運転資金とはせずに、備品資金として話をしてみましょう。

備品資金は金融機関も必要な資金として認識しているため、融資の話がしやすくなっています。運転資金はダメだけれど、備品資金なら借り入れ可能ですと回答するところが多いこともこの二つの資金の違いでもあります。不動産の中でもう少し手を加えたいものがあるときはこのような方法を知っていることで役立つことでしょう。

備品資金は毎月支払っているような水道光熱費や、対象物件以外で使用する備品以外は該当しませんので注意が必要です。備品資金として運転資金に当てることももちろん禁止されています。運転資金で使用したい場合は手を加えたい部分に対象となる備品がないかを調べてみることがおすすめです。修繕や購入費用がなくなるだけでも運転資金が減るため経営がしやすくなります。

不動産投資は運転資金を詳しく理解して成功させよう

不動産投資を始めるには物件選びだけではなく、購入後から問題になる運転資金がポイントでした。運転資金は毎月発生する費用なので、購入前にしっかりシュミレーションをすることで経営が成功する鍵となることでしょう。運転資金の用意が難しい場合は金融機関選びをし、融資が受けやすくなるよう自分自身の経歴や収入、経営方法などの準備が必要です。金融機関が運転資金の貸し出しを不要と考えている所も多いため、運転資金ではなく設備資金とすることで借り入れが行えるケースもあります。

運転資金の内容をよく把握し、理想の経営ができるようにしましょう。