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ワークシェアリングとは?種類やメリットとデメリットを知ろう!

ワークシェアリングとは?種類やメリットとデメリットを知ろう!

労働者同士で雇用を分け合う意味があり、働き方改革によって馴染むようになったのがワークシェアリングです。「一人ひとりの労働が一人ひとりの労働時間を短くする」非常にシンプルなものですが、いくつか種類があり企業に適した方法でワークシェアリングを導入する必要があります。

労働者同士で雇用を分け合う意味があり、働き方改革によって馴染むようになったのがワークシェアリングです。「一人ひとりの労働が一人ひとりの労働時間を短くする」非常にシンプルなものですが、いくつか種類があり企業に適した方法でワークシェアリングを導入する必要があります。

ワークシェアリングは4つに分類できる

ワークシェアリングの種類は4つあり、企業の目的によって選ぶ型が異なるのが特徴です。ワークシェアリングを導入する前に、それぞれの型について知っておくと目的を達成できる確率が上昇します。

雇用維持型

中高年の雇用を維持するために導入されるのが雇用維持型です。中高年層の一人ひとりの労働時間を削減し、雇用数を増やす目的があります。社内での雇用を多く維持できる、人手不足の企業が導入している型です。

業務の偏りをなくし、労働時間を短縮、従業員の負担を軽減できます。企業側としても、スキルや経験のある人材を手放す必要がありません。

雇用創出型

失業者に新しく就業する場所を提供する目的があるのが雇用創出型です。ポイントとしては、フルタイムの労働者を雇うのではなく時短労働者を雇います。つまり、パートタイムや短時間労働者を雇い、2人や3人で仕事をする働き方です。

雇用創出型は、労働時間が短縮されてしまうので
・一人当たりの給料が低下する
・企業側のコストがかかる
などが想定されます。企業側の負担が増えてしまうので、ヨーロッパ諸国ではワークシェアリングを導入している企業に対して政府が助成金を与える制度があります。

緊急対応型

何かしらの理由があって、利益や売り上げを確保できない場合や、景況が悪化した時に導入されるのが緊急対応型です。このままでは「人員を削減するしかない」場合に、従業員の労働時間を短縮させたり、休日を増やす等の対策をしたりして、雇用を維持する目的があります。

従業員としては収入が減ってしまいますが、仕事を失わなくて済みます。企業側としては、企業の状況が改善された場合に事業を再開できます。

多様就業型

多様就業型はフレックスタイムやテレワークの導入、短時間労働者など雇用して働き方を多様化させる方法です。最もイメージしやすい型だと言えます。

出産、育児や介護等によって、フルタイムで働けなくなっても、短時間であれば仕事ができる人を継続的に雇用する際に導入されます。従業員は、無理なく収入を得られますし、企業側も経験や知識のある人を失いません。

また、企業側としてはニーズに合った雇用ができて、労働者も自分に合った働き方ができる、お互いにとって利点が生まれます。ワークシェアリングは以上の4種類に分類です。

Job sharing in flexible work, 2 or more employees share work responsibility in same position for best result concept, two businessman together working with same computer metaphor of job sharing.

ワークシェアリングのメリット

ワークシェアリングのメリットは非常に多く、企業側としても雇用側としても利点があります。そして企業だけではなく、国にとってもメリットが生まれます。実際にメリットを確認しましょう。

雇用が生まれ、守られる

既に記載していますが、ワークシェアリングのメリットは「雇用が生まれる」です。一番大きな利点といっても過言ではありません。1人当たりの仕事量が減って新しい雇用が生まれるので、失業率の改善が可能です。

また、既に雇用されている人は時間が短くなってしまいますが仕事を続けられるので、収入を確保できます。

労働環境が改善される

労働者が増えて仕事量が減るので、長時間労働をする必要がなくなります。ブラック企業が問題視されている昨今では、特に重要な要素の一つです。

雇用が増えて、一人当たりの仕事量が減って労働環境が改善されると、仕事に集中できるので、生産性の向上が期待できます。現場が効率的に回る上、職場の環境の改善が可能です。

今度は、これまで仕事に当てていた時間がフリーになるので、仕事と家庭の両立が実現できます。育児や介護、スキルアップから、仕事のために諦めてしまった趣味の時間など、プライベートの充実にもつながります。

企業イメージの向上も期待できる

企業側のメリットとしては、ワークシェアリングを導入していると社外にアピールできるので、
・雇用の機会を提供している企業
・リストラの心配がない企業
・集中して仕事に取り組める企業
などの、良いイメージを作れます。企業イメージの向上から様々な利点を生むため、企業戦略の一つとして活用するのも手段の一つです。

従業員の満足度が上がる

「景気が悪くなっても仕事を続けられる企業」として従業員に認知してもらえれば、会社と従業員の間に信頼関係が生まれます。ワークシェアリングの導入で、心身の疲労が減るため従業員の体調も守られます。

ライフスタイルに合わせた働き方の実現もできるため、従業員の満足度が高まるでしょう。

経済効果が期待できる

ワークシェアリングの導入は、企業や従業員だけではなく国にとっても大きなメリットです。ワークシェアリングの影響により、労働時間が短縮されたらフリーの時間が増えるため、個人消費が促進され、経済が回ると予想されます。

さらに発展すれば、少子化問題にも影響を及ぼすことが期待できます。

ワークシェアリングのデメリット

ワークシェアリングにもわずかなデメリットがあります。企業側、従業員側双方にデメリットがありますので、確認していきます。

従業員は給与ダウンする

労働時間が短くなっているので、必然的に給与がダウンします。これまでと同様の生活を送るのは少々困難です。企業側も当然いくつかの対策を行っており、
・スキルアップの研修費用を支払わなくて良い
・副業を許可する
等でカバーができます。

全従業員の負担が減るわけではない

ワークシェアリングの導入は、全従業員に対して平等に導入できないケースもあります。つまり、仕事を共有せず、これまで通りの仕事をするだけの人もいます。ワークシェアリングの対象者のみが時短労働になるため、給与に差が出てしまいます。

当然といえば当然ですが、納得できない人もで出てきてしまう可能性がある点には注意してください。

給与計算に時間がかかる

ワークシェアリングが導入された場合、給与の計算方法が変更されたり、給与計算に時間がかかったりして手間がかかります。また、給与計算は生活に関わる仕事であるため、期限を守りつつ正確に処理しなければなりません。

これまでよりも給与計算は手間のかかる作業になってしまうのはデメリットであるため、何かしらの策を講じる必要があります。

雇用の増やし方を考える必要がある

雇用する人材が増えると、企業が負担する社会保険料が増加してしまいます。労働者によって能力が異なるため、教育の費用がかかる場合もあります。併せて、福利厚生などの制度の費用もかかるので、企業全体で見直しが必要です。

単純に新規雇用者を増やせば良いわけではない部分が、ワークシェアリングの難しい問題です。企業が負担するコストが増えてしまうのは、企業側と従業員側にとってデメリットしか生まれません。

企業側と従業員側の双方にメリットが生まれるような労働環境を構築するには、乗り越えなければならない問題が多数あると覚えておきましょう。

ワークシェアリングの導入事例と成功させるポイント

ワークシェアリングは海外で先進事例があり、オランダなどでは導入されています。当然、一部の日本企業でも導入が始まっています。国内外問わず、実際にどういった取り組みが行われているのかチェックしてから、成功させるためのポイントをご紹介します。

オランダ

オランダでは、雇用創出型がメインに採用されています。勤務時間による待遇に差がありません。したがって、多様な働き方が存在しています。

その他に、
・企業が雇用確保や労働時間短縮に対して努力をする
・雇用者所得の減少を緩和するために政府が減税を実施
などの取り組みがされていて、国全体でワークシェアリングの導入を推進しています。事実、失業率は1983年時に11.9%だったのに対し、2001年時には2.7%とかなり改善しています。

フランス

フランスは、法定労働時間が35時間です。つまり、1週間で35時間以上の労働は許されません。また、ワークシェアリングをいち早く導入した企業にはインセンティブとして、一時的な社会保障負担の軽減措置を実施しています。

トヨタ自動車

トヨタ自動車もワークシェアリングを導入しています。アメリカにあるトヨタの工場6箇所で、ワークシェアリングが導入されました。業績悪化と、雇用維持に対応するための、緊急対応型に該当する方法です。

具体的には、2週間で80時間の労働時間であるところを、2週間で72時間に変更、給与も72時間分に減額しています。
・幹部の給与5%カット
・幹部と間接部門の賞与カット
・昇給の見送り
・早期退職者の募集
などで雇用の維持に成功しています。

ワークシェアリングの導入を成功させるためには?

ワークシェアリングの導入において重要なのは「従業員同士の格差をできる限り低減する
」です。以下のように不公平を感じさせるポイントは排除しなければなりません。
・フルタイムと時短勤務者の給与の差
・テレワークと出社する人の差
・作業量の負担の差
・数値化しづらい業務への新しい評価基準の作成
などです。

ラクをしている人が高賃金、忙しい人が低賃金などの格差は必ず縮める必要があります。同時に、優秀な人材が給与に対して不満を持っている理由から、退職や転職してしまう事象も考えられます。できる限り格差を縮めた上で、従業員に対する配慮をしなければなりません。

ワークシェアリングをもっと知って導入をしよう

ワークシェアリングは種類があり、企業によって導入する方法が異なります。導入の際は、実際の労働環境から経営状態、従業員の声も聞いて対応しましょう。結果として生産性が上がって、働きやすい環境が出来上がれば、企業と従業員のお互いにとってメリットがあります。

誰もが納得できるような職場環境作りを目指してみてください。

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