付加年金とは?年金受給額を増やす裏技の解説とメリットデメリットも
年金を計算したところ、どうにも先行きが暗い…そんな方は少なくありませんよね。
しかしこの現代、「付加年金」と言って年金を増やすことが出来る方法が存在するのです。
ここでは付加年金について、その概要などを徹底解説しますので、老後の安心の一役となれば幸いです。
付加年金の概要
付加年金とは?
具体的に解説しますが、付加保険料を10年支払ったとします。その場合は「400円×120ヶ月=48,000円」の保険料となりますので、「200円×120ヶ月=24,000円」が基礎年金に上乗せされるという仕組みです。計算は単純ですので、誰にでも分かる範囲となるでしょう。
保険料の納付は申出月から開始で納期限は翌月末日となり、支払わなかった場合は法律上の辞退と解釈されてしまいます。ただし、過去2年まで遡って支払うことが可能ですので、納期限に間に合わなくても焦る必要はありません。
なお平成28年4月から行われていた特例措置として、平成31年3月31日までは付加保険料を10年まで遡って支払うことが可能でした。そのため、タイミング的に今もなお「10年」と勘違いをされている方が少なくありませんので、納期限には十分に注意するようにしてください。
誰でも加入出来るの?
さらに国民年金基金の加入者や、国民年金保険料の免除や猶予を受けられている方も対象外ですので、かなり限定的と言えますね。年齢については20歳以上60歳未満が資格者となり、若い時分であればあるほど上乗せ年金が大きくなるという計算となります。
60歳以上であっても、任意加入被保険者は65歳までは付加年金への加入が認められていますので、5年間は納めることが可能です。このように、国民年金第1号被保険者に限りますが、年齢帯は幅広いので世間には多くの資格者が居るものと思われます。
どこに相談したらいい?
市役所または役場にて、事前に連絡を入れた上で実際に赴き、面談する形を取るのがベストでしょう。付加年金について何も知らない方でも、きちんと丁寧に教えてくれると思われます。
若しくは、ネットで調べたい場合は日本年金機構のHPにおいて、付加年金について詳しく記載されていますので参考にしましょう。さらに日本年金機構は、電話での相談窓口も設けていますので、分からないところや疑問点があれば行動あるのみです。
付加年金のメリット
計算上2年で元が取れる
年金受給からたった2年でペイ出来る事実というのは、実のところ年金とか貯蓄と呼ばれるシステムの中では極めて破格です。通常、国が設定する何かは条件が厳しいなど、「よく見なければ損をする可能性がある」ものが少なくありませんが、付加年金にはそれがありません。
しかも、2年以降においても引き続き付加年金は「そのまま受給」となりますので、「大幅な」お得となるでしょう。年金の支給から10年、20年と長生き出来るのであれば、その金額は計り知れない規模となるでしょう。
さらに3年分以上の保険料納付があるなら、条件がありますが死亡した場合に、死亡一時金として8,500円を受け取れます。3年なんて、大抵の方が満たせる条件と言えますので、付加年金は付加年金そのものも含めて非常にハードルが低いと言えるでしょう。
付加年金は控除対象
つまり付加年金は「課税対象外」で、そっくりそのままお手元に届くということですね。金額的に、課税された場合の損は馬鹿にならないので、メリットとしてはかなり大きなものだと言えるでしょう。
65歳以上で公的年金受け取る場合、158万円を超えると所得税が掛かりますので、付加年金における上乗せ分を計算しなくていいのは嬉しいところです。なお60歳以上65歳未満の場合は、108万円を超えると課税対象となります。
繰り下げ受給で同率増額
なお繰り下げ受給は66歳から75歳まで可能で、受給者が任意で受け取り時期を定めることが出来ます。66歳からの場合は8.4%、以降は0.7%ずつ月単位で増額し、これがそのまま付加年金にも適応されます。
70歳であればなんと42%の増額となり、公的年金と付加年金との合わせ技で、非常に高額になると言えるでしょう。ただし、受給を遅らせるということは、受け取り期間そのものが減少するのと同じ意味で、実際繰り下げ受給をするかはよく考えなければなりません。
あまり引っ張ってしまうと、先に寿命が来てしまうなどして払い損となりかねないので、あまり欲張らないことが重要です。もっとも、年金の先行き自体分かりづらいところがあるので、実際は受給資格発生と共に受給するのが判断としては現実的と言えます。
付加年金のデメリット
67歳未満の死亡で損となる
その上で、不幸にも受給のタイミングである65歳始めで亡くなってしまった場合、算出した192,000円がそのまま払い損となる訳です。これは付加年金に限らず、年金自体に言えることなのですが、余分に支払った事実がある分口惜しいところです。
しかし、付加年金はそもそも保険料が月々400円と安価で、負担と言われるとそれほどでもないといった印象の方が多いでしょう。67歳未満で死亡してしまえば損には間違いありませんが、平均年齢を考慮するとこのデメリットを恐れるのはナンセンスです。
確率から言えば得をする可能性の方がずっと高いのですから、実のところこのデメリットはあまり考えなくてもいいでしょう。それよりも65歳〜67歳を健やかに送れるよう、自分自身に気を払うことを考える方が遥かに建設的です。
繰り上げ受給で同率減額
では具体的にどの程度減額されるかについてですが、「同率」であることから公的年金の繰り上げ受給時の計算と同じとなります。なお計算式については、「(65歳の誕生月の前月−繰り上げ請求月)×0.005」となり、これがそのまま付加年金にも適用されます。
0.005%と言うと分かりづらいので噛み砕きますが、つまりは最短60歳で受給を開始する場合は、年間で6%の減額になると覚えてください。ただし2022年4月からは、上記が4.8%といくばくか緩和されますので、2022年4月以降に年金を受け取る方は判断の際に考慮しましょう。
4.8%と言えども、年金の受給が長くなればなるほど損が発生するのは、従来と変わりありません。自分自身の寿命など分かる訳がありませんが、繰り上げ受給をする際は後悔がないようしっかりと考えた上で決断してください。
年金支給停止により付加年金も停止
65歳以上の場合は基本月額、総報酬月額相当額の合計が47万円を超えてしまうと…「(総報酬月額相当額+基本月額−47万円)×1/2×12」の計算において、支給が停止されることになります。
付加年金はこれまでのとおり、公的年金に付随する性質を持ちますので、同じく支給停止となるでしょう。2年で元が取れる付加年金が受け取れないのはそれだけでデメリットですので、年金の支給停止には十分に注意してください。
特に60歳〜65歳で繰り上げ受給をされる方は、多くの場合働き続けるケースが多いので、収入によっては年金支給停止の基準にあっさりと至ってしまいます。可能な限り年金に配慮して、上手に受給するよう心がけましょう。
付加年金はよほどの理由がない限りやるべき
月額400円です。
もはや考えるまでもないでしょう。