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退職金の使い道はどのようにするのがおすすめ?シニアライフを充実させよう!

退職金の使い道はどのようにするのがおすすめ?シニアライフを充実させよう!

人生の大きな節目のひとつと言えるのが定年退職です。定年退職をする場合、退職金が支給されることも多いでしょう。退職金をどのように使うか検討することは、その後に長く続いていくシニアライフに、とても大きな影響を与えます。退職金の有効な使い方について、考えていきましょう。

人生の大きな節目のひとつと言えるのが定年退職です。定年退職をする場合、退職金が支給されることも多いでしょう。退職金をどのように使うか検討することは、その後に長く続いていくシニアライフに、とても大きな影響を与えます。退職金の有効な使い方について、考えていきましょう。

退職金の基本的な知識を知っておこう

定年退職は、長い人生において、とても大きなターニングポイントとなります。そして、定年退職後のシニアライフを過ごす上で、とても重要となってくるのが退職の際に出る退職金です。退職金をどのように使っていくかによって、数十年にわたるシニアライフに大きな影響を及ぼすことも可能性も大いにあります。

退職金とは?

退職金とは、会社が退職をする従業員に対して支給するお金のことです。会社によっては退職手当、慰労金といった呼ばれ方をすることもあります。定年退職だけでなく、勤続年数によっては、途中で退職をした社員にも支払われるお金のことも退職金です。一般的には、定年退職をした社員に一括で支給されるお金を指すことが多いようです。

退職金という考え方は日本だけ!

退職金というのは、実は日本だけの制度です。終身雇用という、ずっと同じ会社で働くことが基本とされる日本ならではの独特の考え方です。終身雇用という制度がないアメリカやヨーロッパでは、退職金の支給もありません。

海外の企業の方が年収が高い、と言われている理由はこのためです。また、アメリカやヨーロッパでは、退職金の代わりのようなかたちで、投資タイプの年金積立システムが導入されています。

退職金の計算方法

退職金の支給は、法律では義務ではありません。就業規則もしくは労働協約によって、支給方法が決められていますが、細かい決まりというのはありません。

退職金の算出方法は、勤続年数に応じて、定められた金額を支給する方法、勤続年数と給料に応じて決まった額を掛けて算出する方法、さらに役職や資格、職能などを加味して支給額を計算するところもあります。

退職金が支給される条件も会社によって規定が違います。自己都合の場合でも支給されるところもあれば、条件によって支給されないところもあります。

退職金の金額は会社や団体によって異なりますが、規模が大きなところであれば、その分金額が高い傾向にあります。

退職金は、定年まで勤めることを前提として終身雇用で長期間働いたことを慰労し、定年をした後の生活を考慮して、あらかじめ給料から積み立てていくお金です。そのため、勤続した年数が長ければその分支給される額が多くなり、定年退職をした社員がもっとも高い金額となります。

退職金の支払い方法や制度の種類

退職金の支払いの方法や制度にも、いくつかの種類があります。それぞれについて見ていきましょう。

退職一時金制度

退職一時金制度とは、退職金を一括で支払うことです。会社が将来的に支払うことを前提として積み立てていきます。金額の設定は企業が自由に決めることができます。

確定給付企業年金制度

確定給付企業年金とは、一括で支給するのではなく、退職をした社員に対し、一定の期間にわたって、「年金」として一定の金額を分割して支給する制度のことです。

受け取る側は、分割ではなく一時金を選択することもできます。会社は金融機関などに、管理、運営を委託します。企業側にとっては、税務上有利になるというメリットがあります。

企業型確定拠出年金制度

企業型確定拠出年金制度とは、社員がそれぞれ運用をしていくタイプの年金です。掛け金は、会社が毎月積み立てをおこないます。運用をした資金がもしマイナスになってしまっても、会社がその分の補填をしてくれるわけではありませんので、運用の知識が必要となります。

退職金の有効な使い方

定年退職をした際の退職金は、まとまった金額となります。そのため、有効となる使い道を考えるようにしましょう。退職金を元手として運用を考えることも検討しましょう。

確定給付企業年金制度

現在のシステムでは、年金は65歳になると受け取れるようになっています。年金に加入している期間が10年以上ある場合、繰下げ受給をすることも可能です。

繰下げ受給とは、年金の支給開始の時期を遅らせることによって、支給される年金額を増やせるシステムのことです。これまでは70歳まででしたが、2022年4月より、年金法が改正されたことによって、昭和27年4月2日より後に生まれた人は、繰下げできる年齢が75歳まで可能となりました。

年金は60歳で支払いが完了します。その後本来なら老齢基礎年金と老齢厚生年金は65歳になった時から受け取れますが、66歳から75歳までの間に繰下げて支給開始することができます。

繰下げの場合、1ヶ月につき0.7%割り増しとなります。そのため、繰下げる時期が遅ければその分、支給される年金額が多くなります。年金が支給される間は、待機となり、収入がなくなることになります。生活費の補填として、退職金を使うという方法があります。

繰り下げ受給の注意点

年金の繰り下げ支給には、注意点もいくつかあります。会社員だった場合、家族手当の意味合いがある加給年金、振替加算は、繰り下げを待っている間には受け取れません。また、遺族厚生年金には反映されないといったデメリットもあります。また、受給を繰下げたことによって支給される年金額が多いと、その分税金や社会保険料も増えることになることにも注意が必要となります。

住宅ローンの返済に使う

定年退職の時点で住宅ローンの残債があるという場合には、退職金を繰り上げ返済に使う方法もあります。

住宅を購入した時の金利にもよりますが、利息分だけでも、退職をしても合計数百万の支払いが必要となります。

繰り上げ返済をする方法にもいくつかあります。利息分を繰り上げて返済することは「一部繰り上げ返済」と呼ばれます。総支払額を減らせることと、変動金利の場合には、今後金利が上がる心配をしなくても良い、というメリットがあります。

また、元本も含めて残債をすべて返済して完済することは「全額繰上返済」と呼びます。完済ですので、家計にゆとりがでることになり、心理的にも負担がなくなります。

一括返済の注意点

一括返済をする場合にはいくつか注意点があります。ひとつめは、住宅ローン返済中には適用となる団体信用生命保険も完済すると、当然なくなります。生命保険の代わりとしたいと考えて、敢えて完済をしないという選択肢を取る人もいます。

また、完済をすることを重視するあまり、手元に残すお金がなくなってしまっては、生活に支障が出てしまいます。貯金額や、今後どのような支出があるのか、収入があるのならどのくらいか、完済後の資金をしっかりと計算して、完済をした方が良いか決めるようにしましょう。

繰り上げ返済の場合は、一括返済か一部繰り上げ返済か、どちらが良いのか比較をして判断をします。また、一括返済の際、金融機関によって手数料がかかることがあります。返済方法によっても手数料が異なりますので、事前に調べておきましょう。

投資をして運用をする

退職金が一括で支給されると、まとまった金額となります。投資をして運用することも視野に入れましょう。

分散・長期・積立という、投資の基本を押さえて運用をしましょう。分散投資を行いながらリスクを低く抑えることが大切です。

定年退職でリタイアをしたとしても、超高齢化社会と呼ばれる昨今では、30年、40年というとても長い時間を定年をした後に過ごすことになります。退職金を運用する場合には、長期を見据えておこなうのことがおすすめです。リスクを避けるために、積立投資など、分散して投資していくこともおすすめの運用方法です。

NISAやつみたてNISAを利用する

資産を運用する場合には、NISAやつみたてNISAを利用するのがおすすめです。NISAとは2014年に始まった制度です。毎年120万円を上限として、株式や投資信託の配当金や分配金、利益などが非課税となります。通常の口座の場合は、利益に対して約20パーセントの税金がかかります。NISAの場合だと、税金がなくそのまま受け取ることができます。

つみたてNISAは、2018年に開始された制度です。投資信託の分配金や利益が非課税となります。購入できる金融商品は限られています。

NISAと同様に、1年で投資できる金額が40万円ですが、非課税の期間が20年間と長いため、トータルで見るとNISAよりも多い金額を運用することができます。また月々1000円から投資ができることと、リスクが少ないことから投資に慣れていない人でも始めやすいのがメリットです。20年と言っても、途中で売却することも可能なので、いろいろな目的に合わせて運用することができます。

退職金のNGな使い方

まとまった金額が入手できたからといって、ハイリスクの商品に投資することはおすすめできません。投資をするには、当然ですが元本割れなどリスクもあります。

退職金のすべてを投資するのではなく、元本が保証される定期預金などとも併用をしましょう。どのくらいのリスクが許容できるか考えることが大切です。そして手元資金や生活費、今後の支出の予定なども考慮しながら、運用していくことがおすすめです。

退職金で安心のシニアライフを手に入れよう

定年退職の際に支給される退職金は、まとまった金額が一括で入手できる、人生でも滅多にない機会と言えます。退職金は、住宅ローンの一括返済や完済に使う、年金を繰り下げ受給をすることにして、待機の間に生活費の補填にする、そして、投資をして運用をするなどの使い道が考えられます。投資をする際には、手元にある資金などを考慮して、長期や分散することでリスクが少ない運用をすることがおすすめです。

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