生活防衛資金はいくら必要?年代別ライフスタイル別に解説
生活防衛資金とは、万が一の場合に必要なお金のことです。投資や貯蓄とは別のお金で、緊急時に困らないためのお金となります。
生活防衛資金は、実際いくらあればよいものなのでしょうか。年代別やライフスタイル別に、生活防衛資金がいくら必要なのか解説していきます。
生活防衛資金の目安
生活防衛資金について、年代別・ライフスタイル別にみていきましょう。一般的に言われている生活防衛資金の目安がありますが、年齢やシチュエーションによって目安が異なります。
以下の表を参考に、チェックしていきましょう。
【年代別平均年収】
引用元:国税庁HP
【年代別生活防衛資金の目安】
独身 | 既婚(子なし) | 既婚(子あり) | |
20代 | 50万円程度 | 200万円以上 | 300万円以上 |
30代 | 100万円程度 | 200万円以上 | 300万円以上 |
40代 | 150万円程度 | 300万円以上 | 350万円以上 |
50代 | 160万円程度 | 320万円以上 | 370万円以上 |
平均年収の3ヶ月分
平均実収入/月 | 消費支出/月 | 預貯金 | |
2人以上の世帯 | 479,800円 | 398,600円 | 390,131円 |
単身者世帯 | 359,273円 | 239,163円 | 285,595円 |
「家計調査結果」(総務省統計局)(https://www.stat.go.jp/data/kakei/2.html)(2022年3月16日に利用)
生活防衛資金の目安は、平均年収の3ヶ月と考えられています。人によっては、半年~1年もしくは2年分と言われることもあります。
しかし、投資をしている場合は投資信託や上場株式などは部分売却ができるため、3ヶ月程度あれば十分だと考えられるわけです。特に20代の場合、年収2年分の生活防衛資金を貯めてから投資をはじめるというのは、現実的に無理があると言えます。
平均年収の3ヶ月分を生活防衛資金とし、投資を早めにスタートさせることで無理なくお金を扱うことができるでしょう。
平均年収2年分の理由とは
生活防衛資金は年収の3ヶ月分でよい理由があるのに、なぜ2年分という意見があるのか疑問に思うかもしれません。当然ですが、生活防衛資金を多く確保できることは安心できることです。
この2年分というのは、富裕層には可能でも一般のサラリーマンには非現実的な意見です。投資の部分売却が可能という前提であれば、投資を続けながらいざというときに売却すれば、3ヶ月分で足りなくても困りません。
2年分の生活防衛資金が必要と言われるのは、投資売却ができないケースの目安だと考えておきましょう。
20~30代の生活防衛資金目安
20~30代の生活防衛資金の目安を解説します。20代~30代というのは、最もライフステージの変化が起きやすい年代です。
そのため、ライフステージに合わせた生活防衛資金を目安にしましょう。20~30代の生活防衛資金の目安について、チェックしてみてください。
独身 | 既婚(子供なし) | 既婚(子供1人) | |
20代 | 50~75万円 | 200万円 | 300万円 |
30代 | 100~112万円 | 200万円以上 | 300万円以上 |
引用元:家計調査結果
独身は年収の3ヶ月分
20代は前半と後半で年収に大きな差がありますが、ざっくり平均年収を約300万円として考えていきます。独身の場合は、1人分と考えるため年収の3ヶ月分で75万円と計算されることになり、だいたい50万円程度と考えておくのが目安です。
50万円あれば、引っ越しなどが突然あっても対応できます。ただし、50万円というのはあくまでも目安なので、給料アップとともに50万円以上を目標にしておくのがおすすめです。
30代の平均年収は450万円となり、3ヶ月分で計算すると112万円ほどとなります。30代の独身の場合は、100万円を目安にしておきましょう。
既婚
20~30代の既婚者で子供がいない場合は、単純に2人分の3ヶ月分と考えます。20代独身は50万円程度でしたが、既婚となった場合は少し余裕を持つようにして200万円を目安にしておくと安心です。
子供1人がいる場合は、300万~400万円を目安に考えます。これは、ローンや学費など別途用意してあるか、共働きかそうでないのかで異なってきます。
30代既婚で子供がいない場合は200万円以上、子供がいる場合は300万円以上と20代とあまり変わりませんが、給与がアップしている分やや多めに考えておいてもよいでしょう。
20~30代の生活防衛資金を貯めるポイント
20~30代で生活防衛資金を貯めるというのは、中々難しいと考えがちですが早くから貯めることができれば、それほど困難ではありません。特に独身のうちに貯めておけば、早い時点で投資をスタートさせることができます。
結婚や子育てに入ってしまうと、出費を抑えることが難しくなってしまうため20代の独身のうちがチャンスです。ただし、20代というのは娯楽の楽しみも必要なのでストレスにならないように、計画的に積立貯金やボーナスを充てるなどするのがおすすめです。
40~50代の生活防衛資金目安
40~50代というのは、ライフステージが人によって異なる年代です。独身であれば、ある程度まとまった貯金がありますが、結婚を考えている場合とそうでない場合では状況が異なります。
既婚者の場合は、子育て真っ最中のケースと子供が独立しているケースがあり、必要となるお金が違ってきます。40~50代に必要な生活防衛資金について、みていきましょう。
独身 | 既婚(子供なし) | 既婚(子供あり) | |
40代 | 150万円 | 300~320万円 | 350~370万円 |
50代 | 160万円以上 | 300~320万円 | 350~370万円 |
引用元:家計調査結果
独身
40代の平均年収は約470万円となっているので、3ヶ月分で約117万円と計算できます。そのため、少し余裕を持って独身者は約150万円を目安に生活防衛資金を考えておくとよいでしょう。
50代の平均年収は約560万円で、約140万円が3ヶ月分となります。40代とあまり大きく変わりませんが、160万円以上と考えて可能であれば多めに考えておくとよいでしょう。
独身の40~50代は、ライフステージの変化は少なくなりますが、リタイヤ前で収入が見込める時期なので可能であれば多めに考えておくのがおすすめです。
既婚
40~50代の既婚者で子供がいない、もしくは独立している場合は300~320万円以上と単純計算できます。しかし、ローンなど他に掛かるものがなく、保険や投資などがあるのであればもう少し少なめでもよいでしょう。
そして、既婚で子供がいる子育て中の場合は、350~370万円以上が目安です。子供がいる場合は、学費などがまだまだ掛かるため、状況によっては抑えめで考えておかなければならないこともあります。
40~50代の既婚者の場合は、目安はあくまでも目安なのでライフステージによって無理のない金額で考えましょう。
40~50代で生活防衛資金を貯めるポイント
投資をしている40~50代の場合、生活防衛資金は3ヶ月を目安と考えます。40~50代というのは、ライフスタイルが幅広いため一概にこうであるべきとはいきません。特に子育て中の40~50代というのは、子供への出費と老後資金なども重なってきます。
不測の事態に備えて、投資信託などの部分売却と3ヶ月分の生活防衛資金を準備しておきましょう。毎月の貯蓄が厳しければ、毎月の貯蓄を1割などにしてボーナスを生活防衛資金に充てるなど工夫することがおすすめです。
自分のライフスタイルに合う生活防衛資金を用意しよう
生活防衛資金は、不測の事態に備えた大事な準備金です。投資と貯蓄、生活防衛資金と考えるとお金の扱いが大変になってくると感じますが、計画的に分けることで適格なお金の管理ができます。
年代やライフスタイルによって、生活防衛資金の目安を参考にした上で優先順位を考えた金額を定めるとよいでしょう。余裕がない20代の人は、少しずつでも早めに始めることが投資のポイントなので、無理のない計画を立てていきましょう。