近年は電子マネーの普及率が上昇し、多くの方が日常的に取り入れています。しかし、「電子マネーと現金、どっちが良いのかな」と悩む方もいるでしょう。本記事では、現金と電子マネーそれぞれの特徴をもとに、「現金決済が向いている人やケース」「電子マネーが向いている人やケース」を解説します。両者を比較することで、自分に向いている決済方法や、使い分けができるようになります。

【現金編】現金と電子マネーを比較しよう！

現金と電子マネーとの違いについて見ていきましょう。

現金の特徴

現金を使う特徴やメリットについて見ていきましょう。

・使用できるお店が多い
現金であれば、日本全国、ほぼどこのお店でも使用することができます。財布を見れば、どのくらい残金があるのかすぐ分かることもメリットです。

・インフラの影響を受けにくい現金ですと、大きな災害や通信トラブルがあっても、持っているお金で支払うことができますが、電子マネーのみだと非常に困る事態になります。

現金のデメリット

現金にはメリットもありますが、デメリットもあります。デメリットについても見ていきましょう。

・手間暇がかかる
現金の場合は財布を出して支払いをして、金額によってはお釣りを受け取ってしまう手間暇が必要となります。

・引き出すのに手数料がかかることがある
現金の場合は、金融機関のATMなどで必要なお金をあらかじめ引き出しておく必要があります。あらかじめ計画していたとおりに出費をしていけば問題ないですが、急にお金が必要となることもあります。その場合には金融機関やATMが開いていない、近くにない、ということもあります。また、開いていても引き出す際に手数料がかかることもあります。

・ネットショッピングの手間や手数料がかかる

コロナ禍もあって、最近は多くの人がネットを通じたショッピングを利用するようになりました。現金で支払いたい場合には、指定された銀行口座などに振り込む、コンビニで支払う、代引きで商品と引き換えに支払うといった方法を選択しますが、多くの場合別途手数料がかかります。

数百円程度の手数料でも、積もればかなりの出費となります。電子マネーを使うと、手数料がほとんど不要ですぐに支払いができます。

・ポイント付与がない

現金で支払う場合には、どんなに支払っても、そのことでポイントが付与されることはありません。

現金決済に適した人やケースは？

現金は全国どこででも使いたい人、お財布の中で収支を明確に把握したいという人に向いています。また停電時や通信トラブルの時にもっとも使えるのはやはり現金です。

【電子マネー編】現金と電子マネーを比較しよう！

電子マネーの定義はいくつかありますが、一般的な電子マネーのシステムは以下のとおりです。

電子マネーを使いたいと思っている利用者は、電子マネーを発行している企業に現金などを送金することで電子マネーを発行してもらいます。

電子マネーを発行している企業は、受け取ったお金をカードやスマートフォンにデータとして利用者に渡します。

お店で電子マネーで支払いを行うと、お店側は電子マネーを発行している企業に依頼をして、電子マネーを現金に交換して受け取ることができます。

電子マネーは利用するにあたって、審査などがなく誰でも利用することができます。暗証番号入力なども必要ないことも、人気の理由だと考えられています。

電子マネーの特徴

電子マネーのシステムを理解した上で、現金との違いをみていきましょう。

・素早く支払える

電子マネーはかざすだけで支払いが終わりますので、手間暇がかかりません。クレジットカードで支払う際には、専用の決済端末にカードを差し込んで手続きをする必要があります。

そして暗証番号を入力したり、場合によっては伝票にサインを求められることもあります。
ここ数年で、かざすだけのタッチ決済ができるクレジットカードも出てきていますが、まだ少ないです。一方、電子マネーは基本的に専用の端末にカードやスマートフォンをさっとかざすだけで支払いが終了するため、スピーディにできることが大きな特徴です。

たとえばちょっとドリンクを買いたいと思った場合、電子マネー対応の自動販売機であれば、お財布から小銭を探すといった作業がまったく必要なく、すぐに好きなものを購入することができます。

・ポイントが付与される

電子マネーはほとんどが、支払った金額に応じたポイントが付与される仕組みになっています。

ポイント付与のシステムは、電子マネーによって異なります。支払いだけでなく、チャージをすることで貯まる電子マネーもあります。システムは異なります。電子マネーによってはキャンペーンも頻繁に行われていて、抽選で支払った分の数パーセントがポイントで還元されることもあります。

貯めたポイントは、その電子マネーの支払いに直接使用できる他にも、共通ポイントやマイルに交換できるものもあります。

・紛失の際の被害が少ない

電子マネーは現在のところ事前にチャージすることで支払うというものが多いです。チャージできる金額には上限があるタイプがほとんどで、5万円が限度ということも多いです。

使える金額が限られていることは、もし紛失したり盗難被害に遭ったとしても、被害が最小限に抑えられるという特徴もあります。

電子マネーのデメリット

電子マネーを使うことにはデメリットもあります。それぞれについて見ていきましょう。

・使える店舗が限られている

電子マネーの普及に伴って、電子マネーが使えるお店はどんどん広がってきています。しかし、まだまだ現金やクレジットカードと比べると、対応しているお店やサービスは少ないと言えるでしょう。

電子マネーは種類がとても多くなっているため、電子マネーに対応をしてるお店でも、自分が使いたい電子マネーは使えないというケースも少なくありません。

・インフラのトラブルに弱い

電子マネーは、上述のようにお金をデータ化するという電子技術、通信技術を用いています。そのため、通信障害や大きな災害で停電などのインフラのトラブルが発生した場合には、いくらチャージ金額があっても、支払うことができなくなる可能性もあります。

・大きな金額の支払いができない

クレジットカードの場合は、信用を基にして信販会社が代わりに支払い、利用者は後で支払いをするかたちになります。カードの限度額にもよりますが、数十万から数百万のショッピングをすることが可能です。電子マネーはチャージ額が決まっていますので、大きな買い物をするには適していません。

電子マネー決済に適した人やケースは？

電子マネーは支払いが素早くでき、チャージをして使うシステムであることが大きな特徴です。かざすだけなので現金と比べて、買い物が素早くできます。少額の買い物の時や、急いでいる時やスムーズに支払いをしたい時、スマートフォンだけ持ち歩きたい時などが向いています。

そしてクレジットカードは、高額の買い物や、ボーナスなど後払いをしたい時などに向いています。クレジットカードに電子マネーが付帯されていて、どちらも利用できるカードも登場しています。金額や用途、ニーズに合わせて使い分けるのがおすすめです。

電子マネーをさらに深堀り！どんなものがある？

電子マネーにはさまざまな種類があり、いろいろな分類方法があります。まず、電子マネーを発行している会社などで、4つのタイプに分け、それぞれについて見ていきましょう。

①電車やバスに使える「交通系」

交通系と呼ばれる電子マネーは、大手鉄道会社やバス会社などで利用できるタイプです。JR東日本のSUICA、JR西日本のICOCAなど、地方によって名称が違います。カードタイプのもの、定期券と一緒になっているカードタイプ、アプリなどがあります。改札でかざすだけで電車に乗ることができます。

行き先を確認して料金を調べて、切符を買って、切符を通してという手間が省けることから、もっとも身近なタイプの電子マネーだと言えるでしょう。交通系の電子マネーは、交通系ICカード全国相互利用サービスと呼ばれるサービスによって、現在10種類のカードが相互に使用できるようになっています。

たとえばSUICAを持っていれば、札幌や福岡など、違う都市に行っても、スムーズに電車やバスに乗ることができます。また、交通機関だけでなく、ショッピングすることも可能です。

②手持ちのクレカと連携！「クレジットカード系」

クレジットカード会社による電子マネーです。クレジットカードと連動しているので、チャージをする必要がなく、クレジットカードのショッピングと同様に、後で支払いをすることができます。

③日常的な買い物で活用！「流通系」

流通系とは、大手スーパーマーケットやコンビニエンスストアが発行しているタイプの電子マネーです。

代表的なものには、イトーヨーカドー系列のnanaco、イオン系列のWAONなどがあります。系列の店舗で使うことができ、ポイントが貯まりやすいという特徴があります。

④スマホで簡単決済！「QRコード系」

スマートフォンのアプリを主に使用するタイプの電子マネーです。PayPayや楽天Payなど、「〇〇PAY」と呼ばれるタイプに相当します。CMなどで良く見聞きすることも多いため、徐々に普及してきている電子マネーです。

ショッピングをするには、事前にチャージをするか、クレジットカードや銀行口座と紐づけて、店舗などにある「QRコード」と呼ばれる電子暗号を写真で読み取って行います。同じ電子マネーのユーザーであれば、簡単に送金、受け取りができるサービスを提供しているものもあります。

現金と電子マネーは自分に適している方を選択して賢く使おう！

電子マネーは最近知られるようになった支払い方法ですが、さまざまなメリットがあります。特徴やメリット、デメリットを知って現金とクレジットカードと使い分けましょう。自分に合った電子マネーを見つけて使いましょう。