NISAなどの普及によって、投資に関心をもつ人も増えています。投資をする方法にもいろいろな種類があります。ファンドや債券をはじめとした投資方法の種類や特徴、おすすめの人などについてご紹介いたします。

ファンド（投資信託）とは？

投資信託とは、端的にいうと専門家に自分の資金を信託して、運用してもらう投資のことです。不特定多数の投資家から資金を集め、まとめたものが、資金や基金という意味がある「ファンド」と呼ばれます。

ファンドは、運用の専門家であるファンドマネージャーが、資金を基にして、株式や債券などに分散して投資をすることによって運用をおこないます。運用した利益を分配する投資方法です。

ファンドは株式や債券、不動産などに投資することで、運用されます。運用成果として出た利益を、投資をした金額に応じて分配というかたちで受け取ることができます。

ファンドの主な種類

ファンドには種類がいろいろあります。バランス型や資産複合型とも呼ばれる投資信託は、株式や債券を組み合わせて運用します。運用のスタイルはファンドごとに異なりますが、リスクを分散させて運用させることで、安定した分配が期待できます。

その他にも、日経平均株価や、東証株価などの指標を元にして投資をおこなうインデックス型や、REITと呼ばれる不動産の投資信託、海外の株や債券を中心として運用を行うタイプ、先物市場で運用をする商品ファンドなど、運用の内容によってもさまざまな商品があります。

さらに、AIを用いることで代わりに投資をしてもらえるロボアド投資、富裕層を対象とした特定の人向けでおこなうヘッジファンドなど、運用の手法や、目的、投資される内容などによって、投資の内容や募集する条件が異なります。

ファンドのメリットとリスクとは？

投資信託のメリットは、少額からはじめられる投資であることです。ファンドとしてまとまった金額で分散投資されることから、自分の資金だけでは分散投資が難しい場合に向いています。

また、プロに運用を任せられるので、仕事なので値動きのチェックなどを逐一することは難しい、どの投資をすればよいか分からない、という人にも適しています。

ファンドは手軽に購入できますが、商品によっては高額な手数料がかかります。必ずしも利益が出る保証がないため、元本割れする可能性もあります。リスクがあっても大きな利益を得たい人、すぐに利益を出したい人などには向いていないともいえるでしょう。

債券とは？

債券とは、国や地方自治体、企業などが資金を調達したいとき、投資家がいわば貸付をするかたちの投資方法です。

貸付金の証拠として発行されるのが債券です。決まった時期に利息を受け取ります。そして債券の満期の際には、償還金として貸し付けた金額と利息が戻ってきます。

債券の種類とは？

債券にも種類があり、国は国債、地方自治体のものは地方債、立行政法人などが発行しているものは政府関係機関債と呼び、まとめて公共債と呼ぶこともあります。会社が発行している債券は、社債と呼びます。国内だけでなく海外の債券もあります。

利息、償還の時期などはさまざまです。また、金額も多様で、たとえば個人向け国債は1万円から購入できます。

債券の特徴

債券は償還まで保有するだけでなく、期間の途中で、償還時の利息を受け取る権利の売買ができることも特徴です。

償還より前に売買する場合は、市場の金利やその債券を発行した企業などの信用などによって取引価格が決められます。差額によって利益を得ることもできます。

債券のメリットとリスクとは？

債券は、償還期間を迎えれば、元本が基本的に戻ってきます。利息が付くことが約束されていますので、リスクが低い投資商品と言えます。まとまった資金を安定して運用したいと考えている人に向いています。

注意点としては、債券を購入した企業がもし倒産した場合には、債務不履行となります。債券に用いられる企業の経営状況をチェックしたり、債券の信用度である「格付け」なども参考にして選ぶ必要があります。

また、償還前に債券を売却をした場合、価格が下がっていて損をするリスクや、取引が成立しない可能性もあります。

株式投資とは？

投資をしていない人にも知られている投資方法なのが、株式投資ではないでしょうか。

株式とは、企業が資金を募るために発行をする有価証券のことです。株式市場に上場している企業の株式は、株式市場を経由して購入したり、売却をすることができます。

株式を購入することは、その企業に出資して株主になることです。株主になることで、企業の経営に触れることができ、株主総会に出席して意見を述べることができます。また、保有している株主数に応じて議決の可否をおこなえます。

株式投資は比較的リスクが低く、現物投資で取引をする場合には、マイナスになることがありません。そのため初心者でも始めやすい投資方法と言えるでしょう。

株式投資の特徴とは？

株式投資には2種類の利益が得られることも大きなメリットです。利益のひとつめは、株式を売買することによって得られる売買益です。

購入した時の値段である買値よりも高い売値で売却すると、その差額が利益となります。株の価格は、株式市場が開設されている時間内で、売りたい人、買いたい人の折り合いによって決まり、1日だけでも取引によっては、大きく値動きします。

1日～数日間で株の売買を繰り返すことで短期的な利益を狙うことも可能です。また、長期間保有していて、値が上がった時に売却をして利益を得ることもできます。

株式のもうひとつの利益が配当金です。企業は資金を集めることで、新規事業の進出や設備投資を充実させることができ、会社の利益を株主に還元しているのです。

株主は企業から、年に1回、もしくは2回、配当金を得ることができます。また企業によっては、企業製品やサービス、金券などの株主優待を受けられます。オリジナルの優待品や、株主だけの割引などの特典、ユニークな製品など、株主優待を目当てに株式を購入する人もいます。

上場している企業は国内だけでも非常に多いので選べること、そして少額からでも投資ができるので、初心者にも向いていると言われています。

株式投資の種類とは？

株式には、国内株と海外株とに分けられます。海外株の投資も、国内株と考え、仕組みは同じです。しかし、海外株には、株主優待というものはほとんどありません。

海外の株式ですので、日本の景気には左右されにくく、為替相場の変動によっても差額で利益を得ることも可能です。国内株のみを保有しているリスクを分散させる目的でされることもあります。

株式投資のリスクとは？

注意点としては、リスクが低いと言っても、株価が大幅に減少すると損をすることになります。

また、万が一その企業がもし倒産すると株式には価値がなくなり、ゼロになる可能性もあります。現物での取引は少なくともマイナスにはなりませんが、信用取引という仕組みを利用して取引をするとマイナスになることもあります。

為替取引とは？

為替取引は、最近とくに目や耳にする機会が多い投資方法のひとつです。為替取引とは、端的に言えば、外国の通貨を売り買いして、その差を利益とすることを目的とする投資方法です。

為替取引の種類とは？

為替取引には外貨預金と、FX（外国為替証拠金取引）という方法があります。この2つは、外国通貨の取引という点は同じなのですが、特徴は違っています。

外貨預金の特徴とリスク

外貨預金とは、日本円を預金するのと同じように、外国の通貨建てで資金を銀行に預け入れることです。ドルやユーロの他、オーストラリアドル、中国元、イギリスポンドなど複数の通貨から選べます。

現在、国内の銀行に預金をしても、普通預金はもちろん、定期預金の利息も非常に少ない状況となっています。外貨預金では、日本円での預金と比べると高い利息が付くことが特徴です。中期的に運用したい人向けの投資方法と言われています。

外貨預金の場合は利息に加えて、為替相場によって差異が生まれます。預けるときの為替レートと比べて、引き出したときの為替レートが円安になっていれば利益となりますが、円高になっていれば損となり、原本割れの可能性もあります。

また日本円には手数料はかかりませんが、外貨預金では、預け入れ、払い戻しそれぞれに為替手数料がかかります。

また、日本の銀行に預けるわけではないため、日本の銀行にはある預金保険の適用外となります。もしも銀行が倒産しても、預金額は戻ってこないというリスクもあることに注意が必要です。

FX（外国為替証拠金取引）の特徴とリスク

FX（外国為替証拠金取引）は、「foreign exchange」の略称のことです。外貨預金と同様に、外国通貨に投資する方法です。

日本と外国の通貨を両替するために必要となる為替相場は、毎日変動しています。この為替レートの差額によって生じる差益で取引をする方法です。また、スワップポイントと呼ばれる、2つの国の金利の差によって利益を得る方法もあります。

外貨預金との違いは、外貨預金は、持っている資金の範囲で預け入れ、引き出すことで取引をおこないます。FXの場合は、取引をするために証券会社やFXの会社に、証拠金として資金を預けます。証拠金は最低金額が決められています。

証拠金の何倍もの金額で取引ができることが大きな特徴です。この倍率のことを、てこの意味があるレバレッジと呼びます。

FXのもうひとつの特徴は、世界中の外国為替市場で通貨の交換をします。そのため、24時間どこかの市場が開いているので取引がいつでもできることもあります。

FXでは、大きな利益を得られる可能性がある一方、預けた証拠金以上のマイナスが出るリスクがあることに注意しましょう。

自分に合った投資方法を選ぼう

投資には債券やファンドの他、株式投資、為替取引など、さまざまな種類があります。それぞれの投資の特徴とメリットを知っておき、自分に合っている物を選びましょう。また、投資にはリスクも伴います。リスクについても把握しておくことも、とても大切です。