タスマガジン|副業を頑張る人のお金の情報マガジン

休眠口座ってどういう口座?使わない口座はどうすればいい?

休眠口座ってどういう口座?使わない口座はどうすればいい?

ここ数年、金融機関の休眠口座という言葉を、ニュースなどで目にする機会が多くなりました。休眠口座とは一体どういった口座なのでしょうか。この記事では、休眠口座について改めて知っておきたい基本的な知識や、注意しておきたい点などについてご紹介いたします。

ここ数年、金融機関の休眠口座という言葉を、ニュースなどで目にする機会が多くなりました。休眠口座とは一体どういった口座なのでしょうか。この記事では、休眠口座について改めて知っておきたい基本的な知識や、注意しておきたい点などについてご紹介いたします。

休眠口座とはどのような口座?

複数の銀行が「休眠口座に手数料を課すようになった」というニュースが大々的に報道されたことによって、注目を集めることになったのが「休眠口座」という用語です。

休眠口座とは、長い年数使われていない預金口座のことです。たとえば、子どもの頃に親などに口座を開設してもらってそのまま忘れられている口座、バイトや就職した時に給与振り込みの都合で作ることになった口座、引っ越しをしたら銀行の支店やATMがないので使わなれなくなった口座など「そう言えばそんな口座がうちにもあったかも」と思い当たることも多いのではないでしょうか。


法律では「休眠預金」という呼ばれ方をしていますが、休眠口座と同じ意味です。10年間取引がない口座は「公益的な活動」に使われることとなっています。該当するのは普通預金の他、定期預金や定額貯金、当座預金です。ただし、外貨預金や財形貯蓄、金利や為替によって満期が選べる、仕組み預金と呼ばれるタイプの口座は該当しません。

休眠口座はどうなるの?

休眠口座はすべて合わせるとかなりの金額になります。海外では休眠口座のお金は、団体を通じてチャリティーに活用したり、中小企業への融資として活用をしている国もあります。

そのことから、日本でも放置されている口座は、社会的な目的で還元するべき、という議論が生まれ、国会で2016年に休眠口座を活用するための法律「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」、通称「休眠預金等活用法」が制定されることとなりました。そして、2018年1月より施行されています。

お金はどのようなルートでどこに行くの?

2019年1月より「休眠口座」と判断されると、口座のお金は預金保険機構と呼ばれる機関に移されます。そして民間公益活動に配布されることになっています。

民間公益活動とは、現代の日本で起こっているさまざまな社会問題に対して、行政とは違い民間の団体として、なんらかの活動を起こしている活動のことを指します。公益活動を行っている団体は、子ども、若者のサポートや、日常生活に困難な人のサポート、地域の活性化支援などを行っている団体が対象です。

具体的には、近年メディアで良く取り上げられるようになった、貧困家庭の子どもを対象として、無償で食事を提供する「こども食堂」や、高齢者の買い物や食事をサポートする団体、地方で雇用を創出するために町おこしをしている団体などです。こういった団体は利益を目的としているわけではないため、運営や管理、設備投資をするための資金の捻出に苦労をしている団体が多いのも実情だと言われています。そのため社会に貢献している民間の団体に対して、休眠口座を提供することで活用してもらおうという考えの元、法律が作られたのです。

預金保険機構は、民間の「指定活用団体」に交付されます。その後、公募で選ばれた資金分配団体に助成することで、民間の公益活動を行っている団体にいきわたる制度が作られています。

休眠口座に該当するとどうなってしまうの?

金融機関は、「異動」から9年経ち、これから休眠口座になると思われる預金の持ち主にに「公告」をします。公告は、ホームページなどで掲載されます。

残高が1万円以上の場合は、金融機関に登録をしている住所あてに郵送、もしくはメールで通知が届きます。通知が届けば休眠口座とはなりませんが、通知が宛先不明となって返送されてきたり、メールが戻ってきたり、通知や公告に対して口座を持っている人から金融機関になんらかの連絡がなかった場合、取引が引き続き行われなかった場合、期限がくると、休眠口座になります。

休眠口座に制限はある?

口座の金額に下限は設けられていません。そして1万円未満の場合には個別に通知がいきません。そのため、金融機関が出した通知や公告に気付かず、放置していると休眠口座に該当する可能性が出てきます。

「異動」とは?

この場合の「異動」とは、銀行口座への入金や出金、残高照会、契約情報の変更、借入金返済、通帳の記帳などを指す言葉です。ただ、異動の定義は、金融機関によっても違うため、細かいところは問い合わせが必要です。

休眠口座になったら引き出せないの?

休眠口座扱いになっても引き出せない、というわけではありません。手順を踏むことで、預金を引き出すことができます。

休眠口座は「預金保険機構」に移されます。そして、社会的な活動のために使われることになります。しかし預金保険機構は、持ち主から申し出があれば払い戻しをするためのお金を用意しています。

休眠口座からお金を引き出したり、解約するためには、金融機関の窓口に通帳やカード、証書など、口座番号が分かる書類と、印鑑・本人確認書類を持参します。そして、手続きをすれば引き出すことができます。

もし口座番号が分からない、通帳を失くしてしまったという場合でも、本人確認が可能であれば、金融機関に口座情報を調べてもらえます。

休眠口座となった口座の注意点とは?

休眠口座扱いになった場合には、通帳やカードがあってもATMで引き落とすことはできず、窓口のみしか手続きはできません。

また預金保険機構に移されていることから、金融機関から預金保険機構に口座の確認をし
て、手続きという、複数の手続きを経ないといけません。そのため手続きに行っても、すぐには引き出すことはできないのです。

10年経っていないからそのままでも良い?

「休眠預金等活用法」で定められている10年は、法律上での期間です。それぞれの金融機関によって、口座の取り扱いは異なっています。10年経っていないから大丈夫だろうと思っていたら、引き出しができなくなっていたということもありえるのです。

銀行ごとの休眠口座の扱い

休眠口座と併せてニュースなどで大きく取り上げられたのが、メガバンクで「口座維持手数料」が課されるようになったことです。

金融機関にとっては、お金を預かっている口座を維持するだけでも、データ管理維持費用や、通帳の印紙税がかかります。

そのため、管理にかかる費用の負担を抑えるためにも、口座保有者から手数料を徴収する流れになってきているのです。取引がない口座に対して手数料が課されることになった主な金融機関について見ていきましょう。

三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行は、2年以上利用がないと「未利用口座管理手数料」が年間1,320円課されることになっています。

2021年7月1日より後に新しく開設した口座が対象です。2年以上利用がない場合には手数料が引き落とされ、残高が1,320円に不足していると、全額が引き落とされ、口座そのものが解約されることとなります。なお、定期貯金や投資信託などの資産がある、借り入れをしている場合は対象ではありません。

三井住友銀行

三井住友銀行も2年以上の利用がない口座に対して「デジタル未利用手数料」が発生します。対象となるのは2021年4月1日以降に開設をした普通口座です。2年以上取引がない1万円未満の口座には年間1,100円が引き落とされます。手数料に満たない場合には自動的に解約となります。

18歳未満、75歳以上は免除されます。また、1万円以上の残高がある場合、インターネットバンキングの利用登録をしている場合、定期貯金などの資産がある場合も対象外です。

りそな銀行

りそな銀行では、2004年から、既に2年以上取引がない普通口座に「未利用口座管理手数料」を課しています。対象となる口座に通知後、取引がない場合は年1,320円引き落としされます。

残高が1万円以上の場合や、預かり資産や借入がある場合、りそなクラブで「パール」以上のステータスの場合は対象外です。

みずほ銀行

みずほ銀行では、現時点では休眠口座に手数料はかかりません。しかしデジタル・リモートサービスを拡充するため、2021年より、毎年1月末において1年以上記帳取引のない口座は「みずほe-口座」に移行されます。

また、2021年1月18日より新しく開設した口座で、紙の通帳を新規発行や繰り越しする場合に、1冊1,100円がかかります。70歳以上の方は対象外です。

郵便局(現:ゆうちょ銀行)

郵便局だったころの貯金を持っている場合も、気を付ける必要があります。2007年9月30日に預け入れをして、定期や定額貯金など、満期がある貯金口座は、満期から10年経ってもそのままだと、郵便局より通知が届きます。

さらに、10年経過すると、催告書が届き、権利消滅という扱いとなって引き出すことができなくなります。通常貯金と、民営化以降に預けた貯金は他の金融機関と同じ扱いになります。

複数口座を持っている場合には整理も検討しよう

いかがでしたでしょうか。休眠口座でも金融機関の窓口で、所定の手続きを踏むことによって、引き出しが可能です。
使っていない口座を複数所有していると、もし不正引き出しなどのトラブルがあっても気が付きづらくなります。また、相続の際、家族が口座を把握していないと手続きが煩雑になることもあります。

さらに休眠口座になっていなくても、金融機関のルールによって、口座維持手数料が引き落とされる可能性があります。持っている口座にどのくらいの資産があるか把握をしておきましょう。そして使わない口座は解約するなど、整理をすることがおすすめだと言えます。

TOP