個人事業で建設業を営むまでの手順!お金に関することと注意点も

個人事業で建設業を営むまでの手順!お金に関することと注意点も

個人事業として建設業を営みたい…と言いつつも、小難しいことばかりでなかなか前に進めていない方も多いのではないでしょうか? ここでは個人事業で建設業を営むまでの手順から税金等お金に関すること、さらには注意点までしっかりとご説明させていただきますので、ぜひ参考にしてください。

建設業までの手順

では早速個人事業主であるあなたが、建設業を手掛けるまでの手順についてご紹介させていただきます。

1.実務経験を身に付ける

個人事業で建設業を始めるには、専任技術者になることが前提となるのですが、それには実務経験というものが必要となります。つまりは「実際現場で作業をした経験」なのですが、さらに年数も条件付けされていて10年という月日が求められます。(指定学科卒の場合は3年または5年)

若しくは、建築士や電気工事施工管理技師などの資格(非常に多くありますので、専任技術者に関する専門サイトを参考ください)がある場合です。このようにいくつかの方法がありますが、建設業に対する慣れや理解を深めるのであれば、10年仕事をするのが望ましいと言えるでしょう。

そのため、思い付いたが吉日のように開業することは出来ません。
まずは建設関係の職場で、いち作業員として当面の間仕事をしなければならないでしょう。
なお、もし急いで建設業を始めたい場合は資格取得も視野に入りますが、実務経験がないために後に苦労してしまうかもしれません。

2.資格を取得する

前項の、専任技術者としての要件を満たしているのであれば、必要書類をまとめた上で国土交通省へ申請に行きましょう。専任技術者となれば契約の適正な締結や履行の確保、見積作成、業者とのやりとりが可能となります。

建設業として営業所を構えた際に常駐勤務を求められる重要な役割ですので、建設業開業を考えた場合にすぐ取得しておかなくてはなりません。なおここまでの状態で開業届を提出した場合は、工事1件の請負代金の金額が500万円未満、もしくは延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事などの工事を請け負えます。

つまりは「軽微な建設工事」であるなら、そして軽微な建設工事までに留めたいのであれば、後は事務所を構えて道具等を準備するだけです。

3.事務所等の準備

さて、今の段階で軽微な建設工事ではあるものの、開業届さえ提出してしまえばいつでも建設業を営むことが出来ます。しかし、何もない状態で工事を請け負ったところで何も出来ませんし、そのための準備が必要となります。

建築業ということで最初に思い当たるのが大工道具となりますが、現代の建設業は当然それだけで済む訳がありません。拠点となる事務所、そしてテーブルや椅子、電話やFAX、ネット回線やネット環境まで、非常に多くの設備や備品を必要とします。

もっとも、一番多くお金が掛かる事務所については自宅を改装しても構いませんし、どこかのマンションの一室を借りても差し支えはありません。ただ、工事を発注する側としてはある程度構えの良い会社を選びたいと思うのが心情ですので、ある程度はきちんとした佇まいであった方がいいでしょう。

4.開業届を提出する

いよいよ実際に工事を請け負うことが出来る状態…つまり「開業している」ことを公にしなければなりません。そのためには、税務署へ「開業届」を提出する必要があり、必要書類をまとめて提出しなければなりません。

もっとも、開業届については提出する「だけ」ですので、これまでの経緯を思えば何も難しいことはありません。手続きの費用とか多くの資料が求められると思いがちですが、この時点では開業届1枚さえ提出すればOKなのです。

さらに昨今はインターネットからの申請も受け付けてくれますので、手続き自体はすぐに終わるでしょう。なお後述しますが、提出の際に個人事業主として提出されることになりますが、建設業が軌道に乗れば法人化も視野に入れていいでしょう。

5.建築業の許可申請

個人事業で建設業を始め軌道に乗ると、時に大きな契約もあるでしょうし、1件の契約で500万円を超えてしまうなんてことは少なくありません。しかし、現時点では500万円未満の仕事した請け負えない…これではお客さんも離れてしまいます。

そこで「建設業の許可申請」で、申請により「工事1件の請負代金の金額が500万円以上、または延べ面積が150㎡以上の木造住宅工事」も請け負うことが出来るのです。なお昨今は500万円以下でも申請するケースがあるようですが、それは世間からの信頼性が増すのと、書類が少なくて済む、発注側から申請を求められるからという背景があります。

お金に関すること

個人事業主となれば、何かとお金に関することで面倒なことになりがちです。
ここでは個人事業主さんの、お金に関する疑問点を解決すべくいろいろと解説させていただきます。

必要な費用について

個人事業であることから、必要な費用はすべて「あなた持ち」となります。では建設業の場合、具体的にどの程度のお金を必要として、いくら所持していれば運営が円滑となるのでしょうか?

それはズバリ「500万円以上」となるでしょう。理由は簡単、500万円が「建築業の許可申請をしない状態で、工事1件で請け負える最大の金額」だからです。500万円さえあれば、とりあえずは1件の工事が何とかなる訳です。

しかし、結局1件だけでは意味がありませんし、カツカツで運営するよりも余裕を持たせたいところですよね。よって現実的なところでその倍、1,000万円あたりが無難なところなのではないでしょうか。

どのように融資を受ける?

融資は、いわゆる「大手の会社」だけに許された権利のように思えますが、個人事業主であっても問題なく融資を受けられます。では具体的にどこで融資を受けられるのかを、下記に記載してみます。

銀行など

最初に思い付くところでは、やはり銀行や信用金庫あたりの身近な金融機関が挙げられますね。特に信用金庫は、主な取引先が中小企業以下となりますので、個人事業主であればまずここから相談するのが一般的な方法となるでしょう。

大きな問題さえ抱えていないのであれば、多くは問題なく借りることが出来るでしょう。ただし、その分金利が高めに設定される傾向があるので、返済プランを十分に練った上でご利用するようにしてください。

銀行については信用金庫よりも少々ハードルが高く、ありとあらゆる書類審査がお待ちかねとなっています。入念なチェックもあり、比較的借りるのが難しいと言えますが、その分金利は信用金庫よりも低い傾向があります。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は政府が運営している金融機関となるのですが、つまりは国からお金を借りようということです。政府運営のために金利が低いのですが、その割に借りるまでのハードルが低めですので、中小企業以下には重宝されていると言えます。

ただし、返済能力の有無を徹底的にチェックするためか、提出書類が非常に多く煩わしいところがあるのも事実です。もっとも返済能力さえ証明してしまえば、返済期間を長めに取ってくれる等融通を利かせてくれますので、ここを第一選択肢としてもいいでしょう。

地方自治体

自治体には多くの融資制度が導入されていて、もしかするとあなたのお住まいの自治体でもお金を借りられるかもしれません。さらに助成金や補助金など、返済義務のないお金も制度に組み込まれている可能性もあるので、気になれば地元の市役所などに聞いてみましょう。

税金や確定申告は?

個人事業主であるあなたは、収入もすべて自分のものですが、煩わしいやりとりや手続きなども全部自分でこなさなくてはなりません。その煩わしいやりとりや手続きの代表格として税金、確定申告が挙げられるのですが、時折個人事業主さんはこれらを忘れてしまうことがあるのです。

法人ではありませんので、基本的には一般市民とそれほど税金の内容は変わりませんが所得税、住民税、消費税の他に、事業税というものがあるのでお忘れないようにしてください。もっと具体的に言うなら、所得税であれば年間700万円の所得で税率23%、年間1,000万円なら33%となりますが、もっと詳しく知りたいのであれば国税庁のHPをご覧ください。

なお税金を納めていない…つまり脱税をしてしまうと、無申告加算税や延滞税などが課せられることになります。その際の負担は、本来の税金のプラス30%程度納めなくてはなりませんので、大きな痛手となるでしょう。

よって収入には十分に注意して、ご自身で計算しても申告が必要かどうか微妙と感じる場合は、確定申告に赴いた方が無難でしょう。

個人事業で建設業を行う場合の注意点

個人事業で建設業を始める場合、いくつかの注意点を留意しなければなりません。
以降でそれらをご紹介しますので、今後のために念頭に置いておいてください。

メリットとデメリットを把握する

個人事業における建設業を営む方は、多くの場合何らかのメリットを感じ取ってのことだと思います。
しかしここで改めてメリットを理解した上でデメリットも把握しておくことで、効率的な建設業運営に繋がるでしょう。

メリット

個人事業で建設業を行う最大のメリットというのは、やはり「法人ではない」ことです。司法書士に依頼して法務局へ登記、そのための資本金の準備、従業員が居れば社会保険への加入など、法人化すると何かと面倒なことが多いのです。

その他時間や勤務に融通が利く、年齢制限がない、人間関係が煩わしくないなど、働くに際してよくある面倒事の多くが最初からありません。

デメリット

この場合のデメリットと言えるところは、やはり個人で営んでいるだけになかなか仕事がない、仕事が少なめであることでしょう。世間では、意外と発注の際に「法人に限る」なんて、個人事業主を門前払いするケースが多々あるのです。

もし従業員を採用する場合でも、法人よりも社会的信用度で落ちる個人事業主というのは、どうしても不利になってしまいます。自分が亡くなれば様々な許可や積み上げたものが消えることから、後継者探しにも気を払わなければなりません。

場合によっては法人化へ

ここまで何度か法人化について触れている、そしてデメリットで挙げているのですが、場合によっては法人化も考慮していかなくてはなりません。売り上げが伸びて会社として成長し始めている、また現在の規模では何かと窮屈であるなど、「拡張」を必要としている場合に法人化は欠かせないのです。

ただ、法人化にあたりこれまで積み上げてきたものや、許可や申請などがすべて台無しになるのでは?と思う方が居るかもしれません。そこは心配に及ばずで、個人事業主から法人へ移行した後でもこれまでのものは引き継がれ、現在は営業にほぼ影響がないのです。

会社が大きくなれば、世間からの信用もそれなりに必要です。請け負う仕事も、会社と共に大きくなって500万円など上回るのが日常茶飯事です。
時に融資が必要なら、法人の方が比較的手続きが有利に進むでしょう。このように、いつまでも個人事業の建築業ではいられなくなるのが現実なのです。

杞憂なく開業しよう

いろいろと難しい個人事業での建設業ですが、それだけに分からないことをきちんと解決せずに進めてしまうこともあります。そうなるとまず開業は困難ですし、何よりあなたが社長であることから何もかも責任を負うことになるでしょう。

杞憂なく開業に至るために、必要最低限の知識だけは身に付けておきましょう。
TOP